認知症高齢者の早期発見にICT活用 県内、自治体で取り組み広がる

2022/3/13 12:41
鶴岡市が配布している「どこシル伝言板」シールの見本。認知症高齢者の早期発見に向けた取り組みが広がっている

 高齢化に伴い、県内で認知症が原因とみられる行方不明者が相次いでいる。県警の過去5年間のまとめによると、毎年、行方不明者の1割超を認知症の高齢者が占める。昨年末には山形市で認知症の高齢者が列車にはねられる死亡事故が発生した。徘徊(はいかい)を防ぐことは難しく、最近はICT(情報通信技術)を活用し、早期発見に向けた取り組みが広がっている。

 県警人身安全少年課によると、2021年の行方不明者513人のうち認知症高齢者は73人(14%)。うち9人が死亡しており、中には山中で見つかったケースもあった。1人は未発見となっている。山形市の事故では線路上にいた90代男性が列車とぶつかり亡くなった。行方不明届は出されていなかったが、事故の2時間前から家族が捜していたという。

 県は、県内の高齢者に占める認知症の割合が徐々に上昇し、35年には「5人に1人」になると推計する。体は丈夫な場合が多く、複数の職員の目がある福祉施設でも裏口などから一時的にいなくなることがある。「身体を拘束するわけにもいかず、徘徊を100パーセント防ぐのは難しい」と県高齢者支援課の担当者。

 そこで重要になるのが早期発見だ。県警は登録が14万件を超えるメール配信サービス「やまがた110ネットワーク」を活用し、行方不明者の体格や服装などの特徴を発信している。21年にはメール配信をきっかけに発見につながったケースが4件あり、引き続き協力を呼び掛けている。

 全国的には認知症高齢者の衣服や持ち物にQRコード付きシールを貼り発見、保護する取り組みも行われている。発見者がコードを読み取ると家族らにメールが送られ、専用の伝言板でやりとりができる仕組み。東邦ホールディングス(東京)が「どこシル伝言板」として16年度に始めたサービスだ。

 同社によると、先月末現在で県内の7市町を含む全国の213市区町村が導入し、各自治体が住民の申請を基にシールを無償提供している。新年度も複数の県内自治体が導入を検討中という。県高齢者支援課では「GPS(衛星利用測位システム)を含めて有効なツールを周知し、早期発見につなげていきたい」としている。

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