テレワーク導入、進まぬ県内 山形銀調査・全国比、「適した仕事ない」「業務進行に難」

2022/3/8 12:54

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 山形銀行のやまぎん情報開発研究所は、国や県のテレワークに関する調査を分析したリポートを発表した。2020年にテレワークを導入した県内事業所の割合は18年より増えたものの、全国に比べれば割合が低いと推測される。一方、新型コロナウイルス禍以前から導入してきた先進例では、事業継続や人材確保につながっている様子がうかがえた。

 総務省の通信利用動向調査からテレワーク導入企業の割合を見ると、全国では20年8月末時点で47.4%で、前年より27.3ポイント上昇した。東北は前年より21.1ポイント上昇したが、30.2%にとどまった。一方、県の労働条件等実態調査によると20年にテレワークを導入した県内事業所の割合は、前回調査の18年より10.1ポイント上昇したものの13.3%にとどまった。総務省の調査と単純比較できないが、全国より導入割合は低いと考えられる。

 県調査の導入形態別(複数回答)をみると、在宅勤務が10.6%で最も多くモバイルワーク(4.4%)が続いた。導入していない理由(複数回答)は「テレワークに適した仕事がない」(82.9%)がトップ、「業務進行が難しい」(32.0%)が続いた。

 テレワーク導入のメリットについて同研究所は▽多様な働き方が可能になる▽従業員は通勤時間削減で時間を有効活用できる▽企業は経営効率化、多様な人材の確保ができ、ほかの感染症流行時・災害発生時の事業継続対策としても有効▽地方への移住促進が期待される―などに整理。デメリットは▽情報漏えいリスクが高まる懸念がある▽従業員の評価や労務管理が難しい―などと指摘した。

 また、県内の先進例として建築設計業キャド・キャム(鶴岡市)と老舗酒造会社楯の川酒造(酒田市)を紹介。キャド社は1991年に、ひとり親家庭の社員が子どもの看病で在宅勤務になったのを機に本格導入し、現在は社員110人中約90人がテレワークを実施。社員それぞれが担当物件の設計を行い、月の売上高や納期を守っているかなどを評価基準としており、チームごとにウェブ会議などで情報共有している。コロナ禍での事業継続に大きな力を発揮した。

 楯の川は11年に導入し、現在は都内の営業や広報企画、通信販売の担当者ら12人が常時テレワークで働く。多くがテレワークを前提に採用され、沖縄県石垣島在住の社員もいる。勤務実績は日報などで共有し、定期的にオンライン面談も行う。人手不足が深刻化する中での優秀な人材の確保につながっているという。

 同研究所は「テレワーク導入は対象の人や業務を明確にした上で、業務プロセスや労務管理を見直しながら進める必要がある」と分析している。

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