鶴岡、市中感染拡大か 新型コロナ・児童らにも急速に

2022/1/29 09:29

 鶴岡市で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。28日の新規感染者は113人を数え、他の市町村を大きく上回った。感染経路不明者が多く、「オミクロン株」への置き換わりを背景にした市中感染が拡大の要因となっている可能性があるほか、クラスター(感染者集団)が発生した小学校では換気が不十分だったとの指摘があり、小学生らにも急速に広まっている。

 鶴岡市では小学校のほか、高校でもクラスターを確認。学校から家庭へと広がるケースも見られ、全体の感染者数を押し上げている。県の集計によると県内が「第6波」に入ったとされる12日以降の感染者は322人に上り、県内自治体では山形市の420人に次いで2番目に多い。

 同市では28日の新規感染者113人のうち約8割に当たる89人の感染経路が不明で、県は「市中感染の可能性が高い」と指摘する。感染者の中には買い物などでしか外出していなかったのに、陽性となった人もいるという。感染リスクは常にあり、「不要不急の外出を控え、出掛ける場合は適切なマスク着用など基本的な感染防止対策の徹底を」と訴える。

 集団感染となった小学校については、校舎が古く、視察した県庄内保健所から「校舎の構造や設備の問題から、換気対策が十分に発揮されていない」との指摘があったという。同市は教育現場での感染抑止を念頭に換気対策の強化を図るため、二酸化炭素(CO2)モニターを緊急購入して全小中学校に配備する方針だ。

 28日に開かれた市対策本部会議で市立荘内病院は、20代以下を対象とした電話診療を40代以下に拡大したとし「PCR検査数も増え、現場は苦労している」などと窮状を訴えた。市教育委員会は小中学校9校を休校や学年閉鎖としつつ、「一斉休校は保護者らへの影響が大きく、なるべく行わない。市民の生活が停滞する恐れがある」と述べた。

感染者、さらなる急増懸念

 県内の新規感染者は急カーブで増加し、医療提供や検査、保健業務の逼迫(ひっぱく)度合いも高まってきている。

 県によると、今月上旬は年末年始の帰省由来の広がりが目立ったが、中旬以降は若者同士の会食に端を発した感染事例のほか、家庭での感染から保育施設、学校でのクラスター(感染者集団)に発展したケースが多いという。30代以下の若年層にとどまらず、高齢者を含む幅広い年代で陽性が確認されてきた。

 さらに、まん延防止等重点措置の対象区域となった山形市は首都圏との往来、庄内地域は経済交流がある新潟県との関連に起因した急拡大もあるようだ。24日から新規感染者数は100人超が続いているが、ピークは見通せない状況だ。

 山形大医学部の今田恒夫教授(公衆衛生学)は爆発的な感染拡大に「学校や保育施設などでクラスターが次々と発生し、さらなる急増が懸念される。家庭内で感染拡大の防止は現実的に難しいが、重症化リスクがある高齢者などが同居の場合、生活空間を区分けするなど、できる限りの予防対策を図ってほしい」と話す。

 県全体の専用病床使用率は28日現在で30.4%。今月中旬には原則入院の方針から、軽症者は療養に切り替えるなどし使用率を引き下げたが、再び上昇傾向にある。重症者数は県内はゼロだが、全国では高齢者層の増加に伴い報告数は増えている。自宅療養者数は第6波に入り過去最多を更新し続け、同日現在で731人と歯止めがかからない。

 一方、県内のPCR検査陽性率は1日現在で0.1%だったが、26日現在では25.7%と跳ね上がった。感染力が強いオミクロン株の特性から、身近な接触者が陽性となる割合が高まっているとみられる。

 今田教授はコロナ以外の診療への影響にも触れ、「オミクロン株は軽症が比較的多いため、重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患がある人を守るという視点で、重点化した対策への方針転換を考えていかなければならない」と指摘する。さらに「多くの人は時間の経過とともにワクチン効果が薄れる段階だ。特にハイリスク患者への追加接種は、早急に進めていく必要がある」と強調した。

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