米アカデミー賞の前哨戦と位置付けられている映画賞「第79回ゴールデン・グローブ賞」で、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が、日本作品として62年ぶりに非英語映画賞(旧外国語映画賞)を受賞した。国内外で高い評価を得ている濱口監督だが、10年ほど前には山形国際ドキュメンタリー映画祭で共同監督作品が上映されている。上映作は山形市の山形ドキュメンタリーフィルムライブラリーで視聴でき、28日には県内映画館で「ドライブ・マイ・カー」のアンコール上映が始まる。
濱口監督は2011年、東日本大震災後に三陸沿岸部の人々の語りを記録した「なみのおと」で酒井耕監督と共同で監督を務めた。作品はドキュメンタリー映画祭で同年に初めて実施した震災関連の作品を特集するプログラム「ともにある Cinema with Us」で上映。向かい合う家族や同僚らの対話をそれぞれがカメラに向かって語るように撮影された映像は、「どうやって撮っているのか」と観客の間で話題になったという。
13年には同じく共同監督の「なみのこえ」「うたうひと」が映画祭のインターナショナル・コンペティションと日本プログラムで取り上げられた。「なみのおと」を加えた東北記録映画3部作は全国各地でも上映されている。語りや聞くことから人々の感情をすくい取り、自己と向き合う対話の記録からは、「ドライブ・マイ・カー」に通じる部分や表現の変化が見て取れる。
3部作は同映画祭の「311ドキュメンタリーフィルム・アーカイブ」として収蔵。同ライブラリーで無料で視聴できるほか、3月5日には「うたうひと」などの上映会も予定している。「ドライブ・マイ・カー」は山形市のムービーオンやまがたとフォーラム山形、東根市のフォーラム東根で上映される。
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