まだ宵の口なのに… 新型コロナ「まん延防止」、県内適用初日

2022/1/28 09:43
まん延防止等重点措置が適用され、飲食店は時短営業となった。客がなく早めに閉店作業に入る店も目立った=27日午後8時半、山形市七日町2丁目

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受けた「まん延防止等重点措置」の適用が27日、本県でも始まった。山形市と庄内地域の全5市町が対象区域で、県は区域内の飲食店に午後9時(コロナ対策認証店、酒類提供可)か同8時(非認証店、酒類提供不可)までの時短営業などを求めている。適用初日の夜の街は人通りがまばらだった。

 この日、山形市では休業した店が多く、営業中の店でも客の引きが早い様子だった。午後9時前には看板の明かりが消えていった。適用期間は2月20日までで、解除後の客の戻りを心配する店も多い。

耐え時、灯は消せない

 新型コロナウイルスの感染急拡大に伴う「まん延防止等重点措置」が本県に適用された27日の夜、対象区域となった山形市と庄内地域の飲食店街は静まり返っていた。多くの飲食店は時短営業の要請に従い、午後9時すぎにはのれんをしまった。店の関係者は「耐えるしかない」「明かりは消せない」と、長いトンネルの先を見据えて覚悟をにじませた。

まん延防止等重点措置の適用が始まり当面、テークアウトのみの営業とすることを決めた飲食店も=27日、山形市七日町1丁目・たけまるの傳々

【山形】

 山形市七日町2丁目の山形屋台村ほっとなる横丁「鉄板居酒屋夢はな」は来店客が1人。工藤真一社長(65)は「経営はとても苦しい。店は閉めた方がもうかるが、感謝の気持ちを示すため開けた。意地もある」と語る。カウンターで杯を傾けた40代男性は「すいており逆に安全。店を応援したくて来た」と笑う。

 新型コロナ対策認証店のため午後9時閉店予定だったが、男性が店を後にした8時半前には鉄板清掃、のれん下げなど閉店作業を始めた。そんな厳しい状況下でも「どうせ赤字だから」と、31日までファンクラブ会員の料金を30%引きにするサービスも。常連客のため、酒や食材の仕入れ業者のため、状況を見ながら営業を続けるつもりという。

 コロナ対策認証店の申請手続きを進めている同市七日町1丁目の居酒屋「たけまるの傳々(でんでん)」は当面、テークアウトの予約のみの営業と決め、店頭に「酒類提供なし、午後8時までの時短営業」を知らせるチラシを張り出した。認証後は午後9時までの店内営業に切り替え酒も提供する予定だ。

 年末年始は忙しい日が続いたが、最近は客がゼロの日も。店主の新関雅人さん(50)は「ギャップが大きく、これからどうしたらいいのか…」と戸惑いを隠さない。市内に古民家カフェを開店させる準備もしており「今は耐えるしかない。早く収束してほしい」と語り、鍋を振った。

【鶴岡】

JR鶴岡駅前の居酒屋では午後9時に客全員が帰り、早々と看板をしまった=27日午後9時3分、鶴岡市末広町

 鶴岡市のJR鶴岡駅前にある居酒屋「庄内魚河岸酒場 潮彩」は、一時満席になった時間帯もあったが、午後8時には客がまばらになり、9時閉店の約10分前になると客がそろって帰り支度を始めた。28日以降はランチ営業を始めることにしており、告知のチラシを受けとった常連客が「お昼も来るね」と声を掛けた。

 斎藤俊幸店長(36)は「通常だと閉店時間を過ぎてもお客さんがいたが、今日は引きが早い。気を使ってくれているんだと思う」と感謝しつつ、「不安もあるが何とかやっていきたい。来月20日までに感染が収まってくれたら」と切実な願いを口にした。

【酒田】

 酒田市内の飲食店街は休業を決めた店が多く、閑散とした様子が見られた。一方で、営業継続を選択した認証店の居酒屋「まごころ茶屋 三代目兵六玉」は予想より多い客入りとなり、地元常連客は1組だけながら、出張で酒田を訪れている人などでにぎわった。

閉店を前に運転代行業者の手配に追われる店長=27日午後8時31分、酒田市・まごころ茶屋三代目兵六玉

 白崎文雄社長は「閉まっている店が多いため、酒田に来た人が『飲食難民』となり、さまよった果てにうちに来てくれた」と分析。1時間早い閉店となったが笑顔で店を後にする客を見送り、「こういう人たちのために明かりを消してはいけない」と力を込めた。

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