理解の一方、尽きぬ不安 新型コロナ・まん延防止適用要請、飲食業界は―

2022/1/25 10:22
新型コロナウイルスの感染者が急増した鶴岡市。飲食店が並ぶJR鶴岡駅前も、人通りが少なく閑散としていた(画像を一部加工しています)

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、県は政府にまん延防止等重点措置の適用を要請した。適用されれば、山形市と庄内5市町の飲食店に時短営業を要請することが可能になる。感染者数が急増し、客足が途絶えていた飲食店は「適用は仕方ない」と一定の理解を示した。一方で雇用維持や感染抑制、協力金支給額への不安も漏れ、店主たちの心配は尽きない。

 山形駅前はながさ通り飲食店組合(山形市)の酒井貞昭理事長は「感染者がこれだけ増えており、申請は仕方ない」と冷静に受け止めた。感染拡大とともに飲食店への客足は急減し、組合の中には週3日も客数ゼロの店もある。一方で「協力金があればありがたいが箱の大きさや売り上げ規模によっては損失額を賄えない店が出る。支給額は一律ではなく、店に応じた額にしてほしい」とも望む。

 従業員を抱える店があり、学費や生活費を自ら稼ぐ学生アルバイトもいる。時短営業や休業はその生活を直撃する。自らも居酒屋「酒菜一」を経営する酒井理事長は「従業員の生活や雇用をどう守るかで頭が痛い。(適用期間中は)時短営業するか、完全休業するかで悩む」と吐露した。

 酒田市でも感染者が急増して以降、飲食店街は閑散とした状態が続き、予約のキャンセルが相次ぐ非常事態になっている。居酒屋「れすとらんぱぶ浪漫亭」の脇屋直紀店主(62)は適用について「感染者が増える限り客足は遠のくだけなので、今回の対応は望ましい。時短営業など一律の基準が定まれば、各店の判断に任されている状況が解消される」と評価する。その上で「協力金が出る場合、売り上げや店の規模に応じた額を給付してほしい」と強調した。

 飲食店が立ち並ぶ鶴岡市のJR鶴岡駅前も歩く人はまばらで、店内にも人の姿はほとんど見られない。市中心部で「BAR ChiC(バー・シック)」を営む鈴木克人さん(57)は「市内の感染者が増えるにつれて客足も一気に落ち込んだ」と嘆く。時短要請には応じるとする一方、「飲食店からクラスター(感染者集団)が出ているわけではないので、この政策で感染を十分に抑えられるのか」と不安を口にしていた。

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