寒中の寒暖差で凍結と解凍を繰り返し、うま味が凝縮する凍(し)み大根作りが、山形市の西蔵王高原で最盛期を迎えている。雪原の中に大根のカーテンが点在する光景は、地域の風物詩となっている。
同市神尾の農業庄司稔さん(61)は自らの畑で収穫した大根を使う。皮をむき一度ゆでることで味や食感を良くし、1本ずつひもを通すと、やぐらに20日間ほどつるす。庄司さんは「この冬は寒さの厳しい日が続き、日差しで緩む日はあまりなかったが、仕上がりには自信がある」と話す。その後はストーブをたいた作業室に入れ、風を当てて水分を飛ばせば完成だ。
「身欠きにしんとジャガイモ、ニンジンの煮物が好きだな」と笑う庄司さん。みそ汁の具材にもよく合うそうだ。作業は今月下旬まで続き、市内の産直施設などで販売するという。
|
|