迫力満点「まつやま大寒能」、観衆を魅了 酒田、2年ぶり

2022/1/23 10:23
松山能の2年ぶりの公演で「安達原」が演じられ、鬼女と山伏が繰り広げる迫力満点の立ち回りに大きな拍手が送られた=酒田市・松山城址館

 酒田市松山地域に伝わる県無形民俗文化財・松山能の「雪の能 まつやま大寒能」が22日、同市松山城址館で上演された。2年ぶりとなり、待ちわびた約70人の市民らが幽玄の世界を堪能した。

 主人に縛られても蔵の酒を飲もうとする太郎冠者(かじゃ)、次郎冠者の掛け合いが楽しい狂言「棒しばり」に続き「安達原(あだちがはら)」が演じられた。前段では山伏一行が宿を借りようと訪れた庵(いおり)で、あるじの女が糸を繰りながら世の無常を嘆く姿を静かに表現。クライマックスでは、一転して謡(うたい)と囃子が激しさを増す中、山伏が本性を現わした鬼女と相対する。舞台いっぱいに繰り広げられる迫力満点の立ち回りに、観衆は惜しみない拍手を送っていた。

 松山能は年3回の公演を行っているが、新型コロナウイルス感染拡大で2020年春以降は全て中止となった。演能団体・松諷社(しょうふうしゃ)(榎本和介会長)は感染症対策を講じながら週2回の稽古を続け、この日も役者以外はマスクを着けて舞台に上がった。榎本会長は「楽しみに待ってくれる大勢の前で演じられて本当にうれしい。後継者や資金の不足など厳しい状況下、やめてしまうのは簡単だが、改めて次代に伝えようとの思いが強まった」と話した。

 松山能は寛文年間(1661~73年)に江戸勤番の松山藩士が能楽を習得したことに始まり、明治以降町人に伝わったとされる。

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