雪囲い応用、魅力の空間 山形大院生が米沢キャンパスに設置、技術継承に期待

2022/1/22 11:56
雪囲いの技術を応用してつくったイベントスペース。三角屋根に覆われた空間がケヤキの木を囲むように半円状に広がる=米沢市・山形大米沢キャンパス

 雪囲いの技術を活用した、半円のトンネル状のイベントスペースが、米沢市の山形大米沢キャンパスに出現した。雪囲いに魅せられた県外出身の同大大学院生らが、建築の視点からデザインや施工法を調査、地域の職人に技術を教わって建てた。新型コロナウイルス禍でイベント利用は難しいが、「雪国の魅力発信と伝統技術の継承につなげたい」と期待を込める。

 本来、住宅や庭木を保護する雪囲いだが、ワークショップや講義、カフェスペースなどの人が集う場を想定した。建てたのは理工学研究科建築・デザイン・マネジメント専攻の院生8人。キャンパス内の広場にあるケヤキの木を囲むように、杉とカヤを使った三角形の雪囲いを組み上げた。中は高さ、幅ともに約4メートル、全長30メートルほどの空間。かやぶき住宅が多かった時代はカヤを雪囲いの材料として使った後、屋根の補修に再利用する資源循環が行われており、その伝統に倣った。

 指導する浜定史助教含め県外出身者が多く、本県の冬に当たり前のように存在する雪囲いを新鮮な景観と感じていたという。つくるのに先立ち昨年の晩秋に雪囲いの形状を調べ、施工上のポイントや伝統の工法を学んだ。上山市で材料となるカヤの収穫も体験した。地元の造園職人、かやぶき職人の指導を受けた上で、昨年12月上旬の4日間で仕上げた。

 新型コロナの感染再拡大で想定していた使い方は難しくなったが、院生からは「雪国での生活がより面白くなった」「雪囲いの技術が引き継がれていく働きかけをしたい」との感想が上がる。

 大学院修士課程1年の保本浩希さん(24)=埼玉県出身=は「雪国特有のデザインの魅力を発信し、伝統の継承にもつなげられたら」と話している。

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