オミクロンの特性踏まえ疫学調査の期間短縮 接触範囲特定、幅広く検査

2022/1/21 14:06
感染が急拡大する中、医療・保健業務の現場は負担が増している=山形市保健所

 県内では20日、新型コロナウイルスの累計感染者数が4千人を超え急拡大の勢いは止まらない。その要因とみられる新変異株「オミクロン株」は潜伏期間が短く、濃厚接触者の感染率も高いとされる。医療、保健業務の逼迫(ひっぱく)が懸念される中、県はオミクロン株の特性を踏まえ、保健所による疫学調査の期間を20日公表分から、従来の2週間から1週間へ短縮した。山形市は21日公表分から同様の対応を取る。

 県が流行第6波に入ったとの認識を示した12日以降、1日当たりの新規感染者数は高止まり状態が続き、19日公表分は過去2番目に多い66人だった。県内の医療関係者からは「感染拡大のスピードは、デルタ株が影響した昨夏の第5波と比べものにならない」との声が相次ぐ。

 阿彦忠之県医療統括監は「オミクロン株は早い人で感染後1日、多くは2、3日で発症する」と解説し、「感染拡大で濃厚接触者が急増している。調査対象が多く、保健所の疫学調査が追いつかない状況もある」と現状を説明する。

 疫学調査では感染者への聞き取りなどから接触範囲を特定し、幅広く検査して感染拡大の封じ込めを図る。各保健所はこれまで感染者について「発症前2週間以内の行動歴」の把握に努めてきたが、オミクロン株の特性から調査対象期間を見直した。県は20日公表分から「最近1週間以内の県外への行動歴」とし、保健所による調査の効率化、重点化を図るとした。

 感染の急拡大で、県内の保健所の業務量は増加傾向にある。県が管轄する保健所では各総合支庁の枠組みで人員を回し、県OBを活用するなどして現場の逼迫を回避している。

 また山形市保健所も、自宅療養者の健康観察や濃厚接触者の検査誘導などで業務量が増している。第5波のピーク時は他部署からの応援を含め約50人態勢で対応に当たったが、現在はその規模に近づきつつある。大雪の影響で、宿泊療養施設への移送に伴う付き添い業務なども負担が増しているという。

 第5波では40代でも重症化したケースがあり、診断時は軽症でも一気に肺炎症状を引き起こす事例もあった。第6波は専用病床の使用率は20日現在、県全体25.7%で重症者はいない。自宅療養者の体調が急変し救急搬送された事例もないというが、重症化リスクが高い高齢者の感染割合は増加傾向にあり注視しなければならない。

 阿彦統括監は「ワクチン3回目の追加接種が進み、飲み薬が普及するまで感染拡大のスピードをいかに緩められるかが重要だ。これらの切り札を使うまで持ちこたえるためには一人一人の引き続きの感染防止対策が大切」と話した。

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