つばさ凍え、疲れ果て… 大雪立ち往生・情報不足、宿泊自腹…JRに不満

2022/1/16 11:52

 山形新幹線つばさは、大雪の影響で福島県境を越えられず、山形駅まで引き返すなど、雪への弱さを露呈した。長時間にわたって車内にとどまった乗客たちは、JR側からの情報提供が不十分なことや、二次交通の費用や宿泊代の負担について不満を募らせ、列車を降りた人たちは一様に疲れ切った様子だった。

 先頭で立ち往生した上り156号(14日午後5時12分新庄発)は断続的に停車し、米沢駅でもポイント故障が発生。既に予定より3時間以上遅れた状態で米沢駅を離れ、大沢駅で動けなくなった。14日午後10時ごろには、米沢周辺で上りのつばさ3本が詰まった状態になったが、JR東日本山形支店の担当者は「東京まで走らせますよ」と答えていた。しかし、福島県境の“山越え”はできなかった。「山形新幹線は雪に強く除雪車代わりになるから、遅れながらも安全に行ける」との見通しは外れ、「ここ数日の雪がたまり、限界値に達した」と立ち往生の理由を分析した。

 東京から両親と来た大学1年大久保紘志朗さん(19)は15日未明に山形駅に着くと、「天気は仕方ないけど、事前に遅れや別ルートを周知するなど注意喚起を徹底してほしかった」と疲れた表情で語り、仙台から始発の東北新幹線に乗るためホテルへと向かった。

 報道機関への情報開示も遅れた。広報電話はなかなか通じず、山形駅の窓口で乗客数や健康状態、その後の宿泊について問い合わせても「答えられない」の一辺倒。車内の様子を知るには、一部の乗客が発信する会員制交流サイト(SNS)の情報を探すしかなかった。

 さらに、乗客は不自由を強いられた上、宿泊代や自宅までのタクシー費用は自腹となった。JRの規定では、運休を決めた場所でホテルに宿泊する場合は費用を負担するが、今回のように出発地に戻った場合は除外になるという。切符の払い戻しはあったが、東京の実家に向かっていた40代の男性会社員は、事前に買っていた割引切符なのに正規の値段で買い直しと説明されたといい「自分に非がないのに損をするのは、ふに落ちない」と話していた。飲料やおにぎり、パンは支給されたが納得がいかず、「ただただ不愉快」と吐き捨てるように言う人もいた。

 旅行で来ていた東京都の20代男性会社員は、大沢駅での乗り換えなどを動画で記録し、暗いトンネルの中で雪に覆われた車両先頭の姿がぼんやりと浮かぶ様子などを語ってくれた。山形駅に到着後は新幹線に車中泊をするといい、「6時間、何も食べてない」とコンビニへ急いだ。

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