尾花沢市芦沢に伝わる「獅子かぶり」が15日、同地区で行われ、獅子頭を持った若者が各家を回り無病息災のおはらいをした。
明治期ごろから獅子頭を受け継ぐ大類民子さん(67)の家はかつて茶屋を営み、宿泊した行商が代金の代わりに置いていった獅子頭を地域の厄よけに使ったのが始まりという。毎年1月15日に数え年で25歳になる男性がはかま姿になり、頭の持ち手と幕入りの2人組で各家を訪問。無言で座敷に入り、神棚や床の間に礼拝した後、獅子頭の口を開け家族一人一人の頭にかざす習わしだ。
午前9時ごろから夜にかけ約80軒を回った。来訪を受けた大類正広さん(71)は「小さい子や孫がいれば怖くて逃げていったもの。新型コロナウイルス禍で今年はないかなと心配したが無事来てくれて良かった」。獅子頭を持つ役目を務めた自営業仲山慎太朗さん(23)、三浦康奨(こうすけ)さん(23)は「地域の人に喜んでもらえたことがうれしい」と話した。
|
|