菅野さん(九里学園)都大路駆ける 難病抱えた県高校トップレベルのランナー

2022/1/14 15:43
県女子駅伝競走大会では長井・西置賜チームの1区を任された菅野愛夏さん(中央)=昨年11月

 周囲の目が気にならないわけではないが、それでも彼女は走る―。九里学園高(米沢市)2年の菅野愛夏さん(17)=飯豊町=は、国指定の難病を抱え右目も見えないが、県内高校でトップレベルのランナーだ。第40回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会(京都市)の本県代表に選ばれ16日、都大路を駆ける。

 「自分の病気を知ってもらい、もし同じように病気で悩んでいる人の力になれれば」。そんな思いで菅野さんは取材に応じた。生まれつき左右の目の大きさが異なり、国指定難病レックリングハウゼン病に加え先天性の緑内障などを発症。手術などの治療を受けたものの右目は失明して義眼になり、顔の右側は骨が右目に覆いかぶさるような形になった。現在も年3回ほどの通院が必要だ。

 だが平衡感覚などに影響はなかった。かつて県縦断駅伝競走大会のランナーだった父邦彰さん(46)、県女子駅伝競走大会を走った母東世(はるよ)さん(43)の愛情に育まれ、幼少期から他の子と同じように公園で活発に遊び、体を動かした。小学生時代はミニバスケットボールに打ち込む一方、邦彰さんと一緒にマラソン大会に出場したこともあり「走ることが楽しかった」。中学では邦彰さんがコーチを務める飯豊町の陸上クラブへ。クラブの練習に加え登校前に2、3キロ走るなど、地道にトレーニングを重ねた。「誰に言われるでもなく自分から練習していた」と邦彰さん。3年時の西置賜地区中学総体では800メートルと1500メートルの2種目を制するなど頭角を現した。

 アスリートとしての階段を上る一方、自分の外見に対する心ない陰口に傷ついたこともある。「嫌だったし、どうすることもできなかった」と、菅野さんは涙ぐみながら振り返る。思春期を迎えて東世さんに悩みを相談したこともあったが、それでも走ることはやめず、着実に成績を残してきた。「自分は自分だから」。芽生えた自信が雑音を遠ざけていった。

 高校に進み、昨年の県高校総体1500メートルで上位争いを演じるなど、県内同世代のトップクラスに成長。11月の県女子駅伝競走大会では長井・西置賜チームの1区を任された。最終学年となる今年は、1500メートルでの全国高校総体出場を目標に掲げる。

 県代表として16日、自身初となる全国の大舞台に臨む菅野さん。「チームに貢献できる走りをしたい」と今、気持ちを高めている。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]