回転ガントリー、今春運用開始へ 2年遅れ、山形大の重粒子線がん治療装置

2022/1/14 07:48
山形大医学部(資料写真)

 山形大医学部東日本重粒子センター(山形市)のがん治療装置で、肺や肝臓などさまざまな部位への照射に対応する「回転ガントリー」が今春にも運用される見通しであることが13日、関係者への取材で分かった。昨年8月の照射開始を見込んでいたが、メーカー側の調整不良で遅れていた。先行する固定照射室での治療と合わせ、同センターは本格稼働となる。

 回転ガントリーは超伝導電磁石を搭載し、円筒形の回転体は全長7.8メートル、重さ200トンで小型化を図った。東芝エネルギーシステムズ(川崎市)が医学部のコンセプトを踏まえて開発。患者は楽な姿勢のまま、どの角度からも照射治療を受けられる。

 関係者によると、東芝側がビームの角度やエネルギー量に関する調整に手間取ったことが遅延の要因。昨年12月までに東芝側が装置の調整を終了し、大学側への装置の引き渡しが完了した。今月から実際の患者を想定し、人体模型を使った模擬照射を始めた。

 現在、照射の安全性を確認する作業などを進めており、流動的な要素は残るが、今春には前立腺から治療を開始できる方向という。その後、保険診療の頭頸(とうけい)部や骨軟部などに対象部位を広げていくとみられる。

 山形大の重粒子線がん治療装置は東北・北海道で初めて導入され、昨年2月25日に固定照射室で前立腺を対象にした治療がスタート。回転ガントリーが稼働すると、眼球のがん以外、ほぼ全ての部位に対応できるようになる。回転ガントリーは発注時点で20年4月に治療が始まる予定だったが、これまで3度の遅延があり、最終的に2年近く遅れての運用開始となる見通しだ。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]