開発中新薬にALSの進行抑制効果 山形大などの研究グループ

2021/12/25 07:55
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の抑制効果を説明する国立病院機構山形病院ALS治療研究センターの加藤丈夫センター長(右)=山形市・山形大医学部

 山形大医学部は24日、神経の病気治療のため開発段階にある新薬に、思い通りに体が動かせなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の進行を抑える効果があることが確認されたと発表した。マウスを使った実験で、ALSの発症原因となるタンパク質の異常な塊を抑制し、症状の進行を食い止めることが分かった。

 ALSは、脳内や脊髄にある運動神経細胞が変性・死滅して発症、進行し、筋力低下などが起きる。初期段階で同細胞のタンパク質が凝集し、細胞の突起がなくなって大きさ自体も縮小する。ALSの治療薬は既に2種類が実用化されているが、いずれもタンパク質の凝集に作用するものではなく、今回の発見は世界初としている。

 現在は、マウスでの実験や健常者を対象にした安全性試験の段階。ALS患者を対象に、偽薬との効果の違いなどを経過観察する臨床試験は、2024年開始を見込んでいる。全てが順調に推移すると仮定した場合、経口薬(飲み薬)として治療に使われるのは5、6年後になるという。

 研究グループは、山形大医学部と国立病院機構山形病院、創薬ベンチャー企業「グリーン・テック」(京都府)で構成。当初はアルツハイマー病の治療を目的に05年から研究が始まった。違う種類のタンパク質に作用することから、同じ神経の病気であるALSにも有効性が見込まれるとして、10年ほど前から並行して研究が進められている。

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