海外に目、商機つかむ 事業者の輸出、支援機関が後押し

2021/12/9 12:09
アケビつるで作ったかごを英国に初めて輸出するギャラリーかごの落合なおさん(右から2人目)と、ロゴデザインやブランド名考案に関わった山形大の三浦実香子さん(同3人目)ら=上山市

 新型コロナウイルス禍を乗り越えようと、輸出に乗り出す県内企業が増えている。県内支援機関の後押しを得て海外バイヤーと商談し、成約して初めて輸出に取り組む事業者は「支援がなければ輸出は考えられなかった」とサポートに感謝する。既に輸出に取り組んでいる事業者には出荷先を広げる動きが出ている。

つる細工や山形牛、ルームシューズも

 つる細工のギャラリーかご(上山市)は、日本貿易振興機構(ジェトロ)山形貿易情報センターと県の主催で今年1月に開かれたオンライン商談会で、英国のバイヤーと商談。10月に注文が入り、アケビつるで作った「丸かご(サークルバスケット)」と「果物かご(フルーツバスケット)」計4個を初めて輸出する。

 主宰の落合なおさん(67)が乱れ編みで製作し、雪の結晶に似た六角形を組み合わせたような模様が特長だ。手作りのぬくもりや希少性、品質、デザイン性の高さに加え、生み出されたストーリー性も評価され、成約に結び付いた。

 家族経営の事業者のため輸出ノウハウはなく、ジェトロ山形からは商談からメール翻訳まで幅広い支援を受けた。落合さんは「ジェトロの力添えがなければ輸出できなかった。小規模事業者でも輸出できたという結果が他の事業者、工芸家の励みになれば」と語る。

 落合さんは山形大の学生3人から商品PR方法、ロゴ、ブランド名「ONe&ONly(ワンアンドオンリー、唯一無二)」などの提案を受け、商談会のプレゼン資料作成にも協力を得た。関わった人文社会科学部2年三浦実香子さん(22)は「輸出が決まり驚いた。提案が結果につながり、うれしい」と喜んだ。

 一方、県国際経済振興機構は県食肉公社(山形市)による山形牛輸出を支援。新たにオーストラリアにも販路を広げ、最高級A5ランクのステーキ用や焼き肉用の肉計約100キロを出荷し、現地の高級焼き肉店や高級和食店で提供される。

 スリッパ製造の阿部産業(河北町)も機構の支援を受け、コロナ下で需要の高いルームシューズを台湾と豪州に出荷することが決まり、輸出先は5カ国・地域に。機構の漆原意(もと)チーム長兼県産品輸出チーフコーディネーターは「海外で日本の高品質な商品は需要が高い。県産品はまだ輸出拡大の余地があり、さらに支援する」と話した。

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