J2モンテ・検証2021(上) 新指揮官の功績

2021/12/9 10:25
クラブ初の外国籍指揮官となったピーター・クラモフスキー監督。チームを一時5位まで浮上させた=10月、天童市

 サッカーJ2・モンテディオ山形は2021年のリーグ戦を2季連続の7位で終えた。シーズン中に初の監督解任を決断した今季、通算成績は20勝8分け14敗。攻撃的な戦術を貫徹し、一時は上位争いに迫るまで巻き返したが、目標としたJ1昇格には届かなかった。来季を見据え、戦いの中で得た収穫と課題を探る。

攻撃シンプル、自信再び

 FWビニシウス・アラウージョらの残留で戦力維持に努め、期待感のあった今季は、厳しい船出になった。第2節で初勝利を収めたが、その後は7戦連続で白星から遠ざかった。就任2年目の石丸清隆元監督が築いたパスワークはかみ合わず、1試合平均0.66得点と振るわないまま、J3降格圏内の20位に沈んだ。

 今季の降格は例年より2増の4枠で、危機感を募らせたクラブは20年超の歴史で初めて、シーズン中の監督解任に踏み切った。今季はJ1経験のある松本が最下位で降格が決まり、2019年に共にプレーオフを戦った大宮も苦戦。最終的な結果を踏まえると、山形の早期の判断は奏功したと言える。

 「意図してボールを運び、多くの点を奪う攻撃的サッカー」の基本方針は変えず、クラブ初の外国籍指揮官としてピーター・クラモフスキー監督が就いた。新体制の初陣となった第14節から第26節までは12戦連続で負けなし、そのうち第18節山口戦からは7連勝を収めた。ともにクラブ新記録という躍進で上位浮上を果たした。

 新監督の就任会見で「(人選が)ギャンブルだと全く思っていない」と強調した高山明泰強化部長はシーズン後、彼の功績をこう示した。「失っていた選手の自信、その下支えとなるスタイルを整理してもらった。チームに進むべき方向性を示し、ピッチ上で変化させた」「戦術の要素に加え、選手自身をたき付ける言葉の掛け方、監督自身が醸し出すエネルギーがあった」。崩すための形に執着しているように見えた攻撃を改めた。数的優位をつくった場面から迂回(うかい)することを嫌い、手数をかけずにゴールを狙う姿勢を最優先に考えさせた。監督自身が日本語で「日々成長」と語るほど、精神面の前向きな変化を求めたという。

 布陣はクラモフスキー監督就任前に転換点があった。暫定的に率いた佐藤尽コーチの下で、ボランチのMF山田康太、トップ下のMF南秀仁の位置を入れ替えた。この形が今季の基本となり、MF中原輝やFW林誠道が存在感を示すことで白星を積み重ねた。全42試合のシュート数は昨季とほぼ同数で、J1昇格を果たした磐田、京都に次いで3番目に多い470本。クラモフスキー監督就任後の1試合平均得点は、クラブがJ1定着を見据えた目安にする1.70台に乗せ、一定の手応えを得た。

モンテディオ山形

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