降雪、高音聞こえづらく 山形大院・近藤研究室が解明、防災無線に生かす

2021/12/6 12:16
降雪と音の関係を調べる実験の様子=2018年、米沢市(近藤研究室提供)

 雪と音の聞こえ方の関係について研究を進める山形大大学院理工学研究科の近藤和弘教授(情報・エレクトロニクス)の研究室は、降雪が音のエネルギーを吸収することで、特に高い音が聞こえづらくなることを明らかにした。今後、さらに風向きなどを考慮した分析を進め、降雪時でも聞き取りやすい防災無線システムの構築を目指す。

 東日本大震災発生時、宮城県内では防災無線が聞こえなかった人が2割いたという内閣府などの調査結果がある。積雪や降雪があると音がこもりやすくなることは知られており、同研究室は、本県などの豪雪地帯ではさらに防災無線が聞こえづらい状況になる可能性があると考えた。

 研究は2017年ごろから取り組み、積雪や降雪、雪質がどの程度、音の聞こえ方に影響するかを調べてきた。実験は学生が1、2月の深夜から未明に実施。米沢市の同大工学部敷地などで午前1~4時にスピーカーと録音機を設け、20~100メートルの距離で20メートルごとに気象状況と音の聞こえ方を確認した。

 その結果、音源からの距離が遠くなるにつれ、積雪量よりも降雪量の影響によって、高い音が聞こえにくくなることが明らかになった。降る雪にぶつかることで音のエネルギーが吸収されるという。昨冬はさらに温度、湿度など降雪以外の要因がないかについて調査を行い、音への影響は少ないことを突き止めた。今シーズンは改めて、風が及ぼす影響がないかどうかの評価に取り組む。

 一連の研究では、昨年から実験に取り組む大学院1年の丸山翼さん(23)が、電気・電子情報工学の国際学術団体「IEEE」の下部組織が主催する世界最大規模の学会で、学生のポスター発表の部銅賞などを受賞している。

 今後は防災無線への応用を見据え、聞き取りにくい音域をあらかじめ強調して音声を流すなどの調整効果を試す実験を行う。近藤教授は「効果が分かれば、自治体や拡声器メーカーへの働き掛けも検討したい」としている。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]