忘年会、信じて店を開けている 県内、コロナ下2回目の師走

2021/12/5 11:39
忘年会シーズンを迎えた県内。夜の飲食店街の人通りも少しずつ増えてきた=3日、山形市・JR山形駅前

 新型コロナウイルス禍で2回目の忘年会シーズンを迎えた。県内自治体で職員向け「会食心得10か条」を示したり、忘年会代金を半額助成したりと、飲食を促す動きがある一方、冬場の感染拡大を警戒する声も聞こえる。忘・新年会で県内の飲食店、ホテル・旅館ににぎわいは戻るのか。また企業はどう対応するのか。各地で聞いた。

 山形市の居酒屋八重には11月中旬から忘年会の予約が入るようになった。12月の金曜、土曜日は満席の日が多い。店主の阿部八重子さん(68)は「昨年は全くお客さんが入らず、キャンセルの電話にビクビクしていた。新年会の動きはまだないが、忘年会はコロナ前に近づいている」とほっとした様子。ただこれまでの打撃は大きく「プレミアム商品券のような支援を継続してほしい」と願う。

 忘年会利用客への費用助成と2次会利用客を受け入れる飲食店への給付事業を実施する天童市。割烹晃月は徐々に予約が入るが、ほぼ少人数でコロナ前のような状況は遠い。感染者数によって日々、キャンセルなどの変更があり、感染対策の徹底や人手不足にも苦慮している。尾形正子若女将は「思ったより予約が入らない。人が動く雰囲気が感じられず、市の支援はどうにか(店を)維持する力になればと期待している。一方で『そんなに変わらないのかも』という気持ちも入り交じる」と話す。

 南陽市赤湯の居酒屋あらたまやは先月中旬から予約が入り始めたが、約15件と例年の半分にも満たない。この時期に10件ほどある新年会の予約は一切なく、今月に入り1件のキャンセルがあった。加藤健吾代表(37)は「今後の感染状況でキャンセル客がさらに増えないかが心配だ」と不安げだった。

 宿泊を伴う忘・新年会はどうか。上山市の「日本の宿 古窯」は昨季の忘・新年会がほぼゼロだったが、今季はコロナ禍前に忘年会で利用していた企業が徐々に戻ってきている。例年20~30人規模が多い中、今年は50人以上の企業も。個人名の10人前後の予約も目立つ。新年会の動きは少ないが、広報担当者は「県のコロナ対策認証ガイドラインに従い、万全の態勢で宴席を提供する」と話す。

 鶴岡市あつみ温泉の老舗旅館たちばなやでは、100人を超える大規模な忘・新年会の予約はないが、20人前後の団体を中心に動きが出ているという。佐藤鉄平専務は「例年より件数は少ないが、明るい兆し」とし、「コロナ禍の感染状況が落ち着いており、旅行のニーズが高まっている。楽しんでもらえるプランを提供したい」と力を込めた。

分散開催の工夫、「機運ない」の声・企業

 東京商工リサーチが10月、全国の企業を対象に実施した忘・新年会アンケートで、本県は74.5%(102社中76社)が「開催しない」と回答していた。酒田市の東北エプソンは、社内での忘年会と新年会を4人以内、2時間までとし、大人数が集まる店には行かないよう社員に通達した。石井秀博総務課長は「感染再拡大の懸念もあるが、エプソングループの方針を踏まえ決めた」とする。

 舟形町の舟形マッシュルームは来年1月に2年ぶりとなる新年会を計画している。「コロナで大変な思いをしてきた社員を元気づけるため」と長沢光芳社長。約130人の社員を4班程度に分け、旅館や飲食店で分散開催する予定だ。「例年、全社員で開いてきた。みんなでコミュニケーションを取り、決意を新たにするのも大事だが、感染防止を優先する」と語る。

 山形市の総合自動車サービス業サニックスは2年連続で新年会の開催を見送った。佐藤啓社長は「積極開催するムードではなく、何より社員の家族が心配する」と説明する。県内は会食の機運がないと感じており、「今はまだ罪悪感を持ち、声を潜めて飲まなければいけない雰囲気。今後に向けて県や市がはっきりと開催基準を示し、先頭に立って機運を盛り上げてほしい」と求めた。

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