県部局の予算要求概要、総額7146億円 22年度、前年比4.7%増

2021/12/3 10:54
山形県庁(資料写真)

 県は2日、2022年度予算編成に向けた各部局の要求概要(一般会計)を公表した。新型コロナウイルス関連対策や国土強靱(きょうじん)化などの諸課題を背景に、総額は21年度当初予算比で4.7%増の7146億円。5年連続の増加で、現在の編成手法を取り入れた07年以降で最大規模となった。政府の地方財政対策などを勘案しながら段階的に査定し、来年の県議会2月定例会に当初予算案を提示する。

 新型コロナ関連は前年度の要求額より23億円多い854億円となった。経済対策として利子補給などを講じる商工業振興資金や、医療機関の病床、軽症者用の宿泊療養施設の確保などが盛り込まれている。

 人件費は県人事委員会勧告に基づく給与改定を加味し、21年度当初比で1.6%減の1513億円と見積もった。社会保障関係経費は団塊の世代が後期高齢者に入ることから、1.9%増の687億円。公債費は金利低下に伴い0.1%減の880億円を計上した。一般行政費等は新型コロナ対応の病床、宿泊療養施設の確保などを含めて0.2%増の2889億円。

 投資的経費は38.8%増の1177億円とした。内訳を見ると公共事業は74.6%増の660億円で、防災・減災、国土強靱化に向けた対策費が増加要因。単独事業は東北農林専門職大学(仮称、新庄市)の建設工事に伴い16.1%増の310億円。国直轄事業負担金は19.2%増の143億円を見込んだ。

 予算、組織機構の編成作業の基軸となる「県政運営の基本的考え方」で、所要額を要求できるとした「施策展開特別枠」を活用したのは計11件、8億7900万円となった。特別枠は(1)「子育てするなら山形県」の実現(2)「健康長寿日本一」の実現(3)県民幸せデジタル化(4)「1人当たり県民所得」の向上(5)やまがた強靱化―の各項目を設定した。

 このうちグローバル化推進事業費は、海外の若者と県内外の経営者や学生が議論する場を創出し、産学官による留学生サポート体制の構築などで2900万円を要求。温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す「カーボンニュートラル社会構築推進事業」では、県民総ぐるみの運動展開として4100万円と設定した。このほか、虐待の重篤度の判断などに人工知能(AI)を活用するシステム導入に8800万円、障害者就労事業所の売り上げ増進や利用者の賃金向上に向けたプロジェクト推進事業に2500万円など。

 産業労働部は新ビジネス創出加速化事業に9100万円、次世代自動車参入促進プロジェクト事業に1100万円をそれぞれ要求。前者は起業家の育成や新ビジネスの創出などをサポートし、後者は製品開発支援などを通じて県内企業の次世代自動車分野への参入を促す。観光振興策ではポストコロナを見据え、SDGs(持続可能な開発目標)や多様性の尊重など新たな視点に基づく取り組みとして6900万円を盛り込んだ。

 特別枠以外では、山形新幹線の福島県境部新トンネル整備に向け、JR東日本との共同調査の県負担金2千万円を計上。コロナ禍で需要が低迷した航空ネットワークの維持・利用拡大に関し、4100万円を予算要求した。昨年の7月豪雨と同規模の洪水被害を抑える治水対策の河川整備補助事業は86億6200万円、国直轄の高速道路・道路事業負担金は86億6900万円をそれぞれ見込んだ。

新聞活用支援に1300万円

 県が2日公表した2022年度予算要求概要で、県教育委員会は「小・中学校における新聞を活用した教育活動への支援」として約1300万円を盛り込んだ。

 小中学校を対象に市町村の新聞購入経費の半額を補助する取り組み。郷土愛の醸成や読解力の向上を目的に17年度から行っている。21年度は34市町村の小学校175校517学級、中学校80校729学級で活用した。22年度も同程度の学校・学級数を見込んでいる。

 県教委はより効果的、効率的に新聞を授業で生かすことができるように、活用方法をまとめた手引を作成した。21年度は各校で手引に基づいた学習が進められたほか、SDGs(持続可能な開発目標)への理解を深める場面で新聞が用いられたという。

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