「白まわし」願い結実 北の若(酒田出身)新十両 

2021/12/2 09:42
店内に飾った写真を眺め、北の若のさらなる活躍を願う和島明さん=酒田市・北の富士

 1日に開かれた大相撲初場所の番付編成会議で酒田市出身の北の若(21)=本名斎藤大輔、八角部屋=の新十両が決まった。酒田一中時代に全国大会を制し、強豪・埼玉栄高でも高校横綱に輝いた逸材。初土俵から2年半余り、重圧をはねのけて関取の座をつかんだ。さらなる高みを目指す期待のホープに、家族や関係者らは温かいエールを送る。

家族らエール「感謝忘れず精進して」

 九州場所千秋楽の28日、十両昇進をほぼ確実にした一番を、母の百合さんは、市内自宅のテレビで見守った。十両・旭秀鵬を相手に会心の外掛けが決まると、家族3人で「やった」と声を上げて喜んだ。「(全勝優勝を逃した)先場所は硬くなっているように見えたが、今場所は冷静に自分の相撲を貫いていた」と成長に目を細める。

 今月24日のクリスマスイブが番付発表と聞き、百合さんは、北の若が小学校高学年のころ、クリスマスプレゼントに「白いまわし」を欲しがったことを思い出したという。稽古場での白まわしは、関取の証しだ。「当時の大輔が知っていたのかは分からないが、10年越しの願いがかなった」とほほ笑む。

 幕下上位では3度の負け越しを経験するなど、やや足踏みが続いた。千秋楽の取組を終え、母に「関取になったら(都内にある)柏戸関の墓前に報告したい」と語ったのは、郷土の名横綱の背中を改めて追い掛けるという決意の表れか―。百合さんは「相当の重圧があったはずだが、よく乗り越えた。支えてくれる方々への感謝と、思いやりの心を忘れず、けがに気を付けて精進してほしい」と話した。

 憧れの元横綱で、八角親方の師匠・北の富士勝昭さんゆかりのちゃんこ鍋店「北の富士」(同市)。北の若は中学生の頃から家族で通っている。店内には入門当初の写真などが飾られ、場所中も連日、地元の相撲ファンでにぎわった。

 店主の和島明さん(66)は「寡黙だが、内に秘めた熱い闘志を感じ、大成すると確信した」と初対面を振り返る。入門前には北の富士さんや地元の関係者が大勢店に集い、盛大に門出を祝った。昇進の知らせを受けた和島さんは「体も大きくなって風格が出てきた。後援会などができたら、また大輔君を招き、みんなで応援の気持ちを伝えたい」と破顔した。

しっかり応援したい

 丸山至酒田市長の話 酒田市からは元幕内若瀬川関以来の関取誕生で大変うれしい。化粧まわしの準備や後援会の結成などの動きも出てくると思う。しっかり応援していきたい。

ここから関取「すごい」 酒田相撲教室の後輩、監督

北の若も稽古した土俵で汗を流す酒田相撲教室の後輩たち=酒田市武道館

 「ここから夢の関取になったのがすごい」。北の若が小学生から中学生まで相撲の基礎を学び、力を付けた酒田市武道館の「酒田相撲教室」では、後輩らが先輩の夢の実現を喜び、稽古に精を出した。

 埼玉栄高に進んだ後、里帰りをした北の若に稽古を付けてもらった村上大祐君(15)=鳥海八幡中3年=は「この道場から大相撲にはばたき、関取にまでなれたのがすごい。胸を借りたときは他の先輩とは全然違い、気迫もすごかった」と話した。仲條峻太郎君(13)=酒田六中1年=は「夢を実現した先輩を見習い、相撲を続けていきたい」と語った。

 女子1人で頑張っている秋葉小町さん(12)=酒田一中1年=は「小学校の途中から相撲を始め、酒田の同じ道場からここまで行けるのがすごいと思う」と目を輝かせた。少子化や、他競技の人気などで同教室は年々、門下生が少なくなっている。新型コロナウイルスの影響で、接触の多い相撲は大会や稽古も思うようにできない状況だ。今回の吉報は地元相撲界にとっても明るい話題になった。

 同教室の大壁洋平監督は「小学生の頃は自分が余裕で勝ったが、中学生になって一気に力を付けた。繊細なタイプで重圧もきつかったと思うが、よくやった」とたたえ、「(北の若が育った)この教室を続けていきたい」と力を込めた。

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