酒田・女子中学生自殺問題(4) 鈴木和仁教育長に聞く

2021/11/28 12:55
記者会見で詳細調査の実施を明らかにした鈴木和仁教育長=9月30日・酒田市役所

 酒田市の中学校で女子生徒が自ら命を絶った問題について、市教育委員会は組織内に設置した「市いじめ問題対応委員会」での詳細調査を進めている。これまでの経緯や今後の方針などについて、鈴木和仁教育長に聞いた。

     ◇

 ―国の「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」や「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針(改訂版)」では、全ての事案で詳細調査に移行することが望ましいとし、遺族が望まない場合でも再度、提案するよう明記している。

 「3月までの基本調査終了後、遺族には詳細調査への移行について2度打診している。ただ、この時点ではこれ以上の調査を望まないという意向を確認した。ガイドラインや指針の内容に加え、遺族の意向も踏まえ、ほかの背景事情も総合的に考慮した結果、市教委として詳細調査に移行しないことを決めた」

 ―ガイドラインや指針に沿った対応については、どのように考えているか。

 「ガイドラインや指針に書かれている内容も理解した上で対応をしているが、そもそも全てのケースに当てはまる内容になっているかというと、そうではない部分もある。今回の問題では、ガイドラインや指針を踏まえた上で、柔軟に対応する必要もある。ただ、遺族の意向は最大限に尊重し、公平で公正な調査ができるようにしている」

 ―女子生徒が生前、担任に相談した際の対応についてはどう考えているか。

 「嫌がらせとみられる行為については、相談を受けた時点では止まっており、女子生徒の学校での様子や周囲の状況を含めて経過を観察するという対応を取っていた。次に同様の行為があれば対応するということではなかった」

 ―市いじめ問題対応委員会の調査が進められている。時間の経過とともに記憶が薄れ真相究明に影響が出てくるのでは。

 「インターネットやSNS、報道を含め、さまざまな情報や話が出回っている。調査では実際に見聞きした状況や女子生徒の生前の様子について調べ、自殺に至った要因や背景を明らかにしたいと考えているが、生徒や保護者もこうした情報に影響を受けかねないという点は懸念している」

 ―詳細調査の結果公表を含めて市教委として、調査後はどのような対応を考えているか。

 「個人情報にも配慮しなければならないという原則を守りながらも、調査結果は全て遺族にも見せ、公開する方針で考えている。調査は迅速に進め、早く結果を明らかにしたいと思っているが、委員はやれることの全てを行う。詳細でしっかりとした調査をしたいという意向で取り組んでくれている。結論を急がせるようなこともしたくない。いずれにしても、結果は明らかにする」

=おわり

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