ワクチン接種巡り、ハラスメント 県、差別撲滅へ対応強化

2021/11/12 07:44
米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン

 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡る職場での対応に関し、打たない人が社内で差別的な扱いを受けたり、同調圧力を感じたりしたとして、県に相談が複数寄せられていることが11日、分かった。新型コロナワクチンは任意接種だが、未接種を理由に職場内で異動を示唆されたケースもある。県はワクチンに関わるハラスメントの解消に向けた取り組みを強化する方針。

 県が各総合支庁の担当課を含めて調査した。接種の強要などに関する相談や環境改善を求める要望は11日現在、県民相談窓口などに電話やメールで少なくとも9件寄せられている。このほか、市町村や関係機関に直接寄せられているケースは多数あるとみられる。

 政府は今秋以降、ワクチンの2回接種などを行動制限緩和の対象とする「ワクチン・検査パッケージ」を活用する方針を示した。県内での接種も加速度的に進み、12歳以上の対象ベースでは7日現在で全体の85.5%が2回目を終えた。接種率の高まりに伴ってハラスメント事案が確認され、9月以降増えているという。

 県地域福祉推進課によると、県民からは「社内で『ワクチンを打ちましょう』という強い同調圧力を感じた」という心理的な苦痛のほか、「打っていないことを理由に職場内で異動を示唆された」など深刻な訴えも寄せられた。県は雇用や身分などに関わる相談について、山形地方法務局や山形労働局など関係機関を紹介したケースもあったという。また、「ワクチンは強制ではないことを強く発信してほしい」との要望も届いている。

 3回目接種は来月から順次始まる方針で、県は引き続きハラスメントへの対応強化が急務としている。ワクチン接種に関わる差別、偏見の撲滅を目指したメッセージを作り、市町村などを通じて事業所へ周知を強める一方、県のホームページでも呼び掛けていく。医学的な事由で接種を受けられない人がいることを念頭に、事業主や管理者に細かな配慮を求める。

 同課は「各事業所は感染拡大を防ぐ責務として接種の普及に取り組んでいるが、やり方次第で差別につながる恐れがあることを認識してほしい」としている。

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