高性能で物質測定 山形のIMUZAK、電子アナライザー共同開発

2021/11/7 15:45
イムザックなどが改良した半球面電極

 光学設計、超精密加工の技術開発を手掛けるベンチャー企業・IMUZAK(イムザック)(山形市、沢村一実社長)は、県内外の企業や大学と共同で、半導体の分析に使われる高性能の電子アナライザーを開発した。従来比で500倍以上の測定能力がある。X線光電子分光装置に組み込まれ、物質中の不純物の原子配列を効果的に測定することで需要が急増する半導体の安定生産につながることが期待される。

 イムザックをはじめ、県内ではサンフウ精密(山形市)、ナカヤマ製作所(白鷹町)、県工業技術センターが連携し、山形市がサポート。早稲田大の水野潤教授、奈良先端科学技術大学院大の松下智裕教授、高輝度光科学研究センターの元研究員・室隆桂之氏とも連携し、約6年をかけた。

 X線光電子分光装置は、材料の研究開発や品質管理など基礎科学分野で広く活用されている。物質にX線を照射し、飛び出してきた光電子のスピードを測ることで、物質中の元素や化学状態を知ることができる。この中で電子アナライザーは、物質から飛び出してきた光電子を取り込んでスピードを測る役割を果たす。

 市販されている従来の電子アナライザーは取り込み角度が狭く、角度を広げるには半球面電極を改良する必要があった。イムザックなどは半径40ミリ、厚さ0.08ミリの金属の半球面に、0.06ミリの穴を約80万箇所空けることで、500倍以上の電子を測定できるようにした。

兵庫県のスプリング8にあるX線光電子分光測定装置。イムザックなどが共同開発した技術が導入された

 この開発成果は、兵庫県の大型放射光施設「スプリング8」に導入され、全国の研究者が利用できるようになった。既にさらなる“改良版”の開発にも乗り出しており、沢村社長は「(2015年の)会社設立時からチャレンジしてきた成果。日本の科学技術力の底上げに寄与できればうれしい」と話している。

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