減る来店、進む統廃合 県内地銀の店舗

2021/10/26 10:45

 県内地銀の店舗統廃合が急速に進んでいる。今年3月までの5年間で閉店(統合を含む)した県内店舗は山形、荘内、きらやかの3行で計39。さらに4月から10月までに計15の閉店を実施・予定している。来店者数減少が背景にあるが、個人客を中心に「店舗が遠くなり、不便」との声も上がる。各行は金融機関同士・コンビニとの連携で利用できる現金自動預払機(ATM)が増えていることや、オンラインサービスの拡充などの周知に努めている。

 地銀3行の県内店舗の閉店(一つの店舗内に複数の支店が営業するブランチ・イン・ブランチ方式で統合された店舗を含む)の状況は表の通り。人口減少のほか▽利用できるATMが飛躍的に増えた▽税金の支払いや多様な決済がコンビニ、クレジットカード、電子マネー、オンラインなどでできるようになった―ことなどから、店舗への来店者数は減少傾向にあった。

 一方で「銀行に行かずに用事を済ませたい」「多様な電子マネー・スマートフォン決済サービスと連携してほしい」という個人客や、社会の変化が加速する中で「従来以上に経営支援・情報提供に力を入れてほしい」という法人客のニーズの高まりも。これらに応えるため、各行はオンラインサービスの拡充や、店舗再編で確保した人員の企業・産業支援への再配置を進めてきた。効率性だけでは決めず「これまで店舗があった市町村では有人店舗を残した」(山形、きらやか)「鶴岡市三瀬・温海地区、真室川町で移動店舗車を巡回させている」(荘内)という配慮もしている。

 それでも高齢の個人客などからは「スマホも持っていないのにインターネットバンキングなど使えない」「車を運転して遠くの店舗まで行くのは年々負担が大きくなる」「個人より企業を優先するのか」との不満も漏れ聞こえる。

 各行は「企業支援の強化は地方創生、ひいては持続可能な地域づくりにつながる」「計画的に統廃合を進めることで将来も金融インフラを維持していける」と意図を説明。店舗統廃合は相談希望の個人客への対応を強化できる側面もあるとし、拠点店に人員を集中させることで、資産形成、相続、投資信託・保険など個人の相談に応じやすい環境を整えることができる利点を挙げる。

 地銀3行はATMを相互利用し、手数料無料(平日日中)で現金の引き出しができる「ふるさと山形ネットサービス」を構築。ライバルでありながら、個人客の利便性確保のため全県的な協力態勢を敷いている。これらをいかに周知できるかが、不便さを感じる顧客の不満解消の鍵となりそうだ。

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