伝統の「安沢歌舞伎」心に刻む 本年度閉校・明安小児童が熱演

2021/10/25 10:00
そろって見えを切る5、6年生の歌舞伎役者たち。盛んな拍手が送られた=金山町明安小

 金山町明安地区に伝わる「安沢(やすざわ)歌舞伎」の伝統を受け継ぐ明安小の5、6年生8人が24日、学芸会で稽古の成果を披露した。本年度で閉校する同小最後の歌舞伎の舞台に地域の住民、保護者が特別の思いで拍手を送った。

 「お引き立ての程、隅から隅まで、ずずいーと…」の名調子の口上、舞台清めの三番叟(さんばそう)の舞に続き、役者たちが舞台に上がった。演目は、菅原道真の政敵が乗った牛車(ぎっしゃ)の前で、敵味方に分かれてしまった三つ子の兄弟が出会い、激しく争う「菅原伝授手習鑑」の「車引」の場面だ。

 義太夫役の3人の歌や語りに合わせ、隈(くま)取りに勇壮な衣装を着けた5人が舞台を駆け、軽快に舞う。会場の体育館に用意された約80席は全て埋まり、役者たちがキリッと見えを切るたびに掛け声と拍手が湧いた。

歌や掛け声などの義太夫を務めた3人

 幕が下りた後、8人全員が登壇し、一人一人があいさつ。「閉校を前に歌舞伎を見てもらうことができてうれしい」「指導してくださった方々のおかげ」「稽古を通じて成長できた」など感動と感謝の言葉が続き、再び会場は温かい拍手に包まれた。

 安沢歌舞伎は地区から若者が減って公演が開けなくなり、20年ほど前から地元保存会の指導を受けて明安小が「子ども歌舞伎」として歴史をつないできた。町伝統芸能発表会で上演してきたが、新型コロナウイルス禍のため中止となり、最終公演は「閉校記念明安っ子フェスティバル」と銘打った学芸会の場となった。

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