収蔵品鑑賞、クイズや塗り絵で楽しく 芸工大生、山形美術館のガイドシート作成

2021/10/24 12:06
学生が制作した鑑賞ガイドシート。塗り絵やプロフィル作成などを盛り込み、新たな視点で作品を楽しめるよう工夫している

 子どもたちに芸術の楽しさを伝えようと、東北芸術工科大美術科総合美術コースの学生が、山形市の山形美術館にある収蔵品の鑑賞ガイドシートを作成した。珠玉のフランス絵画と版画で構成される「吉野石膏(せっこう)コレクション」の中から好きな作品を選び、時代背景や特徴などを調査。クイズや塗り絵などを取り入れ、新たな視点で作品に親しめるよう工夫を凝らした。

 同コースでは芸術を通して地域を元気にするなど、アートの力を社会に生かす方法を学んでいる。松村泰三准教授(57)と学生は2016年から同館を訪れ、子どものためのワークショップを企画してきたが、新型コロナウイルスの影響でできなくなったため、人が集まらなくてもできることをしようと考えた。

 同コース3年生21人が5月に同館を見学、作品や作家について学習し、1人1枚ずつ小学生向けのガイドシートを制作した。松村准教授と同館学芸員らが審査し、実際に同館で使用する10枚を厳選。分かりやすさや見るきっかけになるかなどを基準に、モネの「サンジェルマンの森の中で」やルノワールの「桃」などのシートを選んだ。

鑑賞ガイドシートを作成した東北芸術工科大生。友人の作ったシートを活用しながら作品を楽しんだ=山形市・山形美術館

 自分が見た色を塗り、筒状に丸めたシートをのぞくことで絵の世界に入った気分を味わえる物や、提示された絵の一部がどこにあるか探す物、筆のタッチを見比べる物、絵の中の人物を想像してプロフィルを完成させる物など若者の感性が光る見方を提案している。

 名村春音(はるね)さん(20)は「図録の写真と作品を比べると、写真では分からない色みや筆の跡があることに気付いた。実物に触れる面白さを知ってほしい」。森谷隆広さん(21)は「セザンヌは筆致が特徴的。植物や海などで異なる。じっくり見てほしい」と話した。松村准教授は「学生のアイデアに驚かされた。芸術は自由に楽しむもの。ガイドシートを参考に気軽に見てほしい」と語った。

 ガイドシートは、同コレクションの常設展入り口に設置している。

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