歌舞伎せりふで「雪若丸」PR 俳優・中村橋吾さん(鶴岡出身)

2021/10/18 11:17
十月大歌舞伎の舞台で「雪若丸」を見せ、古里のコメをPRする中村橋吾さん(鶴岡市出身)=東京・歌舞伎座(松竹提供)

 鶴岡市出身の歌舞伎俳優・中村橋吾(はしご)さん(42)が、東京・歌舞伎座で行われている十月大歌舞伎に出演している。台本にないせりふや振りを入れる「入れ事」のできる役をもらい、山形のコメを紹介するなどして古里をPRしている。

 橋吾さんは鶴商学園高(現鶴岡東高)在学中に歌舞伎俳優養成所の試験に合格した。高校卒業後、東京で2年間、歌舞伎の芝居や歴史、三味線などを学び、中村芝翫(しかん)さんが所属する成駒屋に入門した。

 十月大歌舞伎は27日までの公演で1部から3部まである。橋吾さんは午後5時半開演の3部に登場。無理やり嫁にしようとする権力者から美女をかくまう吉祥院という寺が舞台で、笑いを織り交ぜながらいちずな恋心を描いている。

 橋吾さんは権力者と戦う寺の僧役。軍勢が攻めてくる中、「飯を食って腹を丈夫にせねばなりませぬ」と米びつを抱えて登場し、県産ブランド米「雪若丸」を見せて「山形の新米『雪若丸』はうまい」とPRしている。その後、コメを喉に詰まらせて気絶し、敵に捕まるという役で笑いを誘っている。

 今回の「入れ事」は新型コロナウイルス禍で自分を見つめ直す時間ができ、大事な古里を知ってほしいと思いついた。「入れ事」ができる役はめったにない上、コメが登場することから無理なく山形米をアピールできると考えた。銀座のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」で購入し、今後は「つや姫」も使ってみようと考えている。

 橋吾さんの会員制交流サイト(SNS)には「『つや姫』は知っていたが、『雪若丸』は知らなかった。食べてみたい」「買いに行きます」といった感想が寄せられたという。橋吾さんは「『雪若丸』を出すと、お客さんが笑って拍手をしてくれる。コロナが収束したら山形を訪れてほしい」と話した。

 橋吾さんは公演のほか、原爆をテーマにした歌舞伎で世界平和を訴えたり、社会問題を題材にした作品を発信したりしている。「まずは舞台をしっかり務め、山形が誇る歌舞伎役者になりたい」とし、「いつか鶴岡を題材にした作品をつくりたい」と意気込んだ。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]