衆院選公示前夜・県内3小選挙区(下) 3区

2021/10/18 10:42

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 前回衆院選(2017年)で約2万2千票差を付けた自民党前職の加藤鮎子は、足元に不安要素を抱えている。地元の鶴岡市長選(10日投開票)で全面支援した自民系新人が惜敗。総選挙と重なった前回に続き、支援候補が2連敗した。この時は衆院選への影響を回避できたが、今回はどうか。市長選の結果に陣営内には徒労感も漂う。

 党総裁選で選対事務局長代理を務めた岸田文雄が首相指名され、岸田内閣の国土交通政務官に就任。岸田内閣の一員となったが、衆院解散の14日に急ぎ空路で地元入りし、選対会議で「地元第一で仕事をしてきたと胸を張って言える。引き続き働かせてほしい」と訴えた。

■引き締め

 元衆院議員の阿部寿一に2連勝し、3選への準備を進めてきた。「常在戦場」を念頭に集会や支援者へのあいさつ回りを重ね、選挙区内の浸透度は増しているかに見えた。党県連会長として臨んだ今年1月の県知事選で自民推薦の新人が敗北。そして、地元での連敗で自らの影響力に疑問符が付けられた形だ。解散直後の加藤の言動には焦りの色がうかがえる。

 一方、父加藤紘一を上回る浮動票の獲得力と評する向きもある。揺らぐ組織力を引き締め、政権批判をかわすことができるか。陣営は「選挙で結果を出すことが今後のポストにつながる」と引き締めに懸命だ。

■対抗意識

 県3区の構図は与野党による一騎打ちの県1、2区と異なる。立憲民主党、国民民主党など県内各野党などでつくる「5者会議」は県1、2区で共産党と候補者一本化を成立させたが、県3区は自主投票を選択。無所属新人の阿部ひとみは県議を辞し、自民党総裁選のさなかに立候補を表明した。その阿部は立民、国民を支援する連合山形の推薦を獲得。共産との共闘は実現せず、野党勢力の結集は崩れた。

 「現在は県と国との連携は不十分だ。パイプ役になりたい」と9月22日の出馬会見で阿部は力を込めた。鶴岡市を中心とした経済人の後押しがあったと立候補の決意を固めた経緯を説明。後援会事務所には参院議員の舟山康江、芳賀道也らのばれんが張られた。支援県議・市町村議との連携を強化し、酒田市議選(24日告示、31日投開票)との連動に向けた準備も着々と進む。

 知事吉村美栄子との連携を強調し、吉村と同様に「県民党」を標ぼうする。衆院解散から投開票まで17日間は戦後最短。出馬表明が県3区の3人の中で最も遅くなり、「知名度も体制も、現職(加藤)にはかなわない。知事の力添えが不可欠だ」と陣営関係者は吐露する。阿部は「この地に長年暮らし、有権者と苦楽をともにしてきた候補者は誰か。それを見てほしい」と言い切る。

 5者会議の自主投票に対し、共産新人の梅木威(たけし)は冷静に振る舞って見せる。野党統一候補も視野に街頭活動に汗を流してきただけに、陣営内には阿部への対抗意識が渦巻く。16日の事務所開きでは「(阿部は)現職に反対する保守派が擁立を決めたと聞く。梅木が事実上の野党共闘の候補者」との声が上がった。

 先の鶴岡市議選の結果、党は1議席減らしたが、公認候補の総得票数は前回を上回った。「この流れを衆院選につなげたい」と梅木。政権批判の受け皿として、存在感を発揮したいと意気込む。

(文中敬称略)

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