衆院選公示前夜・県内3小選挙区(中) 県2区・鍵を握る“米沢決戦”

2021/10/17 10:03

 県2区では1996年の小選挙区制導入以降、最大の票田・米沢市から初めて立候補者が出ない見通しとなっている。2005年の衆院選以来、自民党は小選挙区の米沢市の得票が相手候補を上回ったことがない。参院選は01年以降1勝6敗、今年1月の知事選でも推薦候補が水をあけられた。付け入る隙をうかがう非自民系の「5者会議」側とともに「決戦は米沢」を合言葉とする両陣営の激戦が水面下で始まっている。

 00年以降の衆院選で、自民は元農相遠藤武彦が同年と03年、05年に米沢市の得票で旧民主系の近藤洋介を上回ったが、遠藤が勇退して以降は近藤が4連勝している。

■「厚い壁」

 「衆院選はここ米沢で、圧倒的票差で勝ちたい」。6月下旬、同市で開かれた党市支部総会で最高顧問を務める元県議後藤源は4選を目指す自民党現職の鈴木憲和=南陽市=を前に強調した。近藤との3度の激戦で、鈴木の得票がこれまで一度も上回っていないのは米沢のみ。鈴木も「厚い壁」と表現する。「ただ勝つだけではだめ。完勝でないと」。陣営幹部は次の参院選や米沢市長選を含め、今後の選挙への影響を見据え、力を込める。

 前回選挙から後援組織が厚くなり、近藤の米沢市長選への転身によって、踏み込める地域が増えた。過去最高の「どぶ板」と評するほどくまなく地域を回り、近藤に入っていた保守票の一定数は鈴木に入ると見込む。だが、運動量を背景にした自信の一方で、どの程度、票に結び付くかは読み切れていない。

 野党共闘候補との一騎打ちは初めて。菅政権に比べ岸田政権の支持率は回復したとはいえ、批判票の動向は懸案だ。「新人だけに動きが読めない」と警戒の声も漏れる。関係者は「怖いのは油断と政権批判。最後まで引き締めるしかない」と自戒を込めた。

■皮算用

 「大票田の米沢に、こうして城が築けた。戦う体制が整った」。6日に米沢市で事務所開きを終えた国民民主党新人の加藤健一=南陽市=は拠点を城に例え、安堵(あんど)の表情を見せた。ただ、後援会長和田広の口は重い。「米沢が不安なんだ」

 加藤が出馬の意思を表明した昨年11月、関係者には取り巻きを含めた近藤の“全面支援”の皮算用があった。米沢の票を読む上で、近藤票が基軸となることを疑う関係者はほぼいなかった。

 自民政権で労相を務めた父鉄雄の地盤を引き継ぎ、保守層にも多くの支持者を持つ近藤。出席を要請したという事務所開きにその顔はなかった。加藤陣営には「今回、加藤につけば、次の選挙(出馬が見込まれる米沢市長選)で保守層が離れるリスクがある難しい立場。あてにできない」との空気が広がった。

 加藤の支持基盤となるのは「5者会議」。11日には国民に加え、立憲民主党や共産党、新社会党の党派を超えた関係者が「囲む会」を米沢で開いた。「共闘」「山形方式」を旗印に全県下で運動するが、実効性は未知数。「うわべだけ」との見方もある。(文中敬称略)

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