安沢歌舞伎、これからも 来春閉校の金山・明安小、24日発表

2021/10/15 14:11
明安小として最後となる子ども歌舞伎の披露に向け、5、6年生が熱の入った稽古に励んでいる=金山町・同小

 金山町安沢地区に、農民の娯楽として楽しまれてきた安沢歌舞伎が残る。伝統の担い手として歌舞伎を毎年披露しているのは地元、明安小(石川周校長)の子どもたちだ。しかし、同校は本年度末での閉校が決まっている。文化継承への課題を抱えつつ、24日の学芸会での発表に向けて5、6年生8人が熱の入った稽古に励んでいる。

 安沢歌舞伎は若者の町外流出による役者不足で20年ほど前に定期公演が開けなくなった。歌舞伎を残したいという思いから2001年に地元保存会が「子ども歌舞伎」の指導を同校で始め、町の伝統芸能発表会で披露してきた。今年の発表会が新型コロナウイルスの影響で中止となり、上演の場を学芸会に移した。

 子どもたちは保存会員から話を聞いたり、過去の公演をDVDで見たりして歌舞伎を学び、7月から週1回、下校後の夜に約1時間半の練習を続けてきた。子ども歌舞伎では「菅原伝授手習鑑」の「車引」を代々演目としてきた。先月末には保存会員が子どもたちにマンツーマンでせりふ回しや見えの切り方などを伝授。最後に通し稽古をして完成度を高めた。

 6年の後藤瑠楓(るか)さん(12)は「明安小生としてこのメンバーで最後に演技できるのがうれしい」と話し、主役を務める沼沢仁心(にこ)さん(12)は「見る人がびっくりするくらい格好いい演技をしたい」と意気込む。

 明安小は有屋小とともに来年度、金山小に編入統合される。有屋小にも「少年番楽」があり、これらの地域文化を地区外の児童も学べるようにできないか、統合準備委員会が考えている。安沢歌舞伎保存会長の佐藤一男さん(66)は「演じ続けないと歌舞伎の存在が世間に伝わらない。子どもたちのおかげで安沢歌舞伎がある」と感謝する。安沢地区民が歌舞伎を守ろうと保存会を立ち上げた経緯を踏まえ、「文化はそう簡単に途絶えない。歌舞伎をやりたいという人は出てくるはずだ」と力を込めた。

安沢歌舞伎(やすざわかぶき) 江戸時代の元禄年間(1688~1704年)に新庄藩主が農民に伝えたのが起源とされる。明治末期から昭和初期までが最も栄えた時期で、「東安座」という一座があった。その後活動は途絶えたが、1988(昭和63)年に地区住民が保存会を結成した。

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