3議席、攻防激しく 衆院選・県内3小選挙区の構図

2021/10/15 13:28

 臨時国会会期末の14日に衆院が解散され、県内3小選挙区に立候補を予定する7人の動きが加速した。総選挙は「19日公示―31日投開票」で行われ、解散から投開票まで17日間は戦後最短。県1、2区は与野党候補が激突し、県3区は自民前職に非自民系新人2人が挑む。3議席を巡る死守・奪取の攻防は激戦が予想される。(文中敬称略)

【1区】自民に野党統一で挑む

 9選を目指す自民前職の遠藤利明に、立憲民主新人の原田和広(まさひろ)が挑む。党の中枢を担う遠藤はこれまでの実績を訴える戦術を描き、野党統一候補の原田は政権批判を鮮明にして非自民勢力の結束を狙う。

 遠藤は岸田政権で党四役の一つ、選対委員長に就任。地元入りが難しい状況だが、後援会関係者や県議、市町議らが支援先の企業、団体を積極的に回っている。山形市で8月に行った事務所開きに3市2町の首長が出席。国政や県内での実績をアピールし、分厚い組織力を生かした運動を見据える。新型コロナ対策を最優先課題に挙げ、山形新幹線東京―山形間の1時間台実現などを掲げる。16日に選対発足式を行う。

 7月に出馬を表明した原田は、野党統一候補として支援議員と朝のつじ立ちや街頭活動を重ね、幅広い層への浸透を図っている。支援労組の会合にも精力的に顔を出し、結束を呼び掛けている。3市2町の非自民系の県議、市町議による議員団を結成し、党派を超えた運動の基盤を整えた。新型コロナ対策の強化・充実や農業者の戸別所得補償制度の復活など「5つの未来指針」を主張し、支持拡大を狙う。

【2区】米沢市は“草刈り場”に

 4選を目指す自民前職の鈴木憲和に、国民民主新人の加藤健一が挑む一騎打ちの構図。これまでの総選挙から状況が様変わりし、大票田の米沢市は“草刈り場”となる。両陣営とも「決戦場」と位置付けながら、事実上の前哨戦を繰り広げている。

 新人を迎え撃つ立場の鈴木は、地域課題に関する支援者との意見交換、企業へのあいさつ回りを精力的に重ねてきた。米沢市では前回の衆院選以降、集落単位の後援会と、それらを束ねる連合会ができるなど支持体制が手厚くなっている。県議舩山現人を選対本部長に据えた。県議、市町議、市町ごとの後援組織、企業後援会との連動で組織戦を展望する。同市で16日に事務所開きを予定する。

 加藤は今月6日、米沢事務所を開設。参院議員の舟山康江、芳賀道也らが、政党の枠を超えて集まった関係者の士気を高めた。米沢市を重点地区の一つと位置付け、人通りの多い休日などは優先的に街頭演説や街宣活動を展開している。平日は米沢以外の市部を中心とした活動が軸で、企業訪問やミニ座談会を交えながら支持拡大を図っている。南陽市で17日に総決起集会を開催する。

【3区】対自民、野党連携なるか

 自民前職の加藤鮎子に共産新人の梅木威(たけし)、無所属新人の阿部ひとみが挑む三つどもえの戦い。県内の非自民系参院議員や政党組織などでつくる「5者会議」が独自候補の擁立見送りと自主投票を決め、野党連携の行方が焦点となる。

 加藤は自公の県議、市町村議らの支援を得て基盤固めを着々と進める。党総裁選で存在感を示し、岸田内閣の国土交通政務官に就任。公務と並行しての戦いになる。鶴岡、酒田、新庄の各市に9月、相次いで後援会事務所を整えた。インフラ整備などの実績をアピールする。先の鶴岡市長選では支援した自民系新人が現職に敗れ、危機感を募らせる。衆院選と日程が重なる酒田市議選(24日告示、31日投開票)との連動も視野に入れている。

 約1カ月前に出馬を表明した阿部は急ピッチで準備を整えており、市議、県議時代の支持者らを核に地元・酒田飽海地区で支援体制を固めている。鶴岡市長選後は擁立に関わった鶴岡・田川地区の経済人を中心に体制を整えつつある。新庄・最上地区でも連絡所を構え、知事選で共闘した支援者らとの連携に向けて活動を展開。連合山形の推薦も取り付けた。企業回りにも力を入れる。酒田市議選の候補予定者との協調も図っている。

 梅木は連日朝の街頭活動、党のオンライン演説会で政策を主張している。鶴岡市議選では党公認候補5人と連動した。改選前から1議席減の結果だが、5人の総得票数は前回を上回り、一定の支持拡大につながったとみている。酒田、最上の両地区でも市議らと街宣活動を展開し、知名度アップを狙っている。

◆県内主要政党コメント 

 衆院は14日に解散され、衆院選の日程が正式に決まった。県内主要政党の代表者らが短期決戦に臨む決意を発表した。

前職全勝へ政策訴え

 森谷仙一郎自民党県連幹事長 コロナ禍でさまざまな地域課題がある中、責任政党である自民は国民と県民の安心安全を守るため、これまでの実績と実行力をしっかりと訴えながら戦っていく。コロナ禍で難しい選挙となるが、前職3人の全勝に向け、有権者へ丁寧に政策を伝えながら支持を広げていきたい。

政権交代しかない

 石黒覚立憲民主党県連代表 自公政権のおごりとごう慢に満ちた政権運営で、民主主義は崩壊したに等しい。日本の未来を輝かせるためには、立憲民主党を中心にした野党による政権交代しかない。国難というべきこの状況を、ひた向きに働き汗を流す全ての国民と一緒に変えるため総選挙に挑む決意を新たにした。

安心社会実現めざす

 菊池文昭公明党県本部代表 事実上、戦後最短の選挙戦が始まる。小選挙区は政権選択が、比例区は政策や実績が問われる。安定と実績の自公政権を選ぶのか、国家観が全く異なり混乱をもたらす立民・共産中心を選ぶのか。公明は危機を克服し、安心社会の実現を目指す「日本再生へ 新たな挑戦」を訴える。

選挙協力し勝利期す

 本間和也共産党県委員長 十分な審議なしに解散することは自らの政権に自信のない表れだ。行き詰まった自民党政治の中での政権たらい回しでは、政治は何一つ変わらない。本県では県内野党の4党合意で選挙協力を進めてきた。比例東北ブロックでの議席増、県内小選挙区での全区の勝利を目指し奮闘する。

共生社会実現へ勝負

 青柳安展国民民主党県連会長 国民民主は自公政権に対案を提示し、コロナ下の困窮に対応するため、差別のない10万円の現金給付をはじめとする諸政策を実現してきた。政策実現政党であることを県民に訴え、県2区において自公政権の壁を打ち破り、共生社会実現に向けて勝ち抜いていきたい。

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