やっぱり遠出はいいね! 県内人気スポット、県外客増でにぎわう

2021/10/10 10:36

 首都圏などの緊急事態宣言が解除されて以降、県内も含めて新型コロナウイルスの感染拡大は落ち着きつつあり、9日には県内の警戒レベルも引き下げられた。飲食店や神社など県内人気スポットはかつてのにぎわいを取り戻しつつあり、修学旅行の行き先が県外から県内に変更されたことによる人の流れも出てきているようだ。

12年に1度の丑年御縁年の御利益にあやかろうと、多くの参拝客が訪れている湯殿山神社本宮=鶴岡市

【鶴岡】

 出羽三山の奥の院とされる鶴岡市の湯殿山神社本宮は、今年が12年に1度の丑(うし)年御縁年に当たり、御利益にあやかろうと多くの参拝者でにぎわっている。駐車場には東京からのツアーバスや、千葉県、新潟県などの県外ナンバーの車が多く止まっていた。同神社本宮によると、緊急事態宣言解除後に参拝者は増え、この日は千人以上が訪れたという。家族3人で参拝した仙台市の会社員男性(48)は「家族の健康を願った。久方ぶりの遠出で貴重な体験ができた」と話した。

【南陽】

入店待ちの列ができた「赤湯ラーメン龍上海」=南陽市

 人気の飲食店はコロナ禍の中でも人を集めていたが、最近はさらに客が増えた。南陽市の「赤湯ラーメン龍上海」では9日、昼の時間帯に通常通りの50人ほどが入店待ちの列をつくり、駐車場には県外ナンバーの車が多く見られた。店によると、自粛期間中と比べ客数に大きな変化はないが、客層が変わり、関東や関西の客が目立つという。宇都宮市から夫婦で訪れた会社員上村勝也さん(30)は「ラーメン消費量が日本一の山形県に来てみたいと思っていた。初めて食べたが、想像以上においしくて来たかいがあった」と満足そう。

【大石田】

 大石田町の「最上川千本だんご」は今年6月以降、売り上げが復調し、コロナ禍前に比べ8割ほどに回復。隣県や関東圏の来客も増えているという。販売担当の斎藤忠司さん(35)は「緊急事態宣言解除に伴う急激な変化はないが、今後旅行客の増加が見込まれ、景気回復の好材料であることは間違いない」とする。感染防止対策を徹底し、需要増加に対応する構えだ。

【上山】

 紅葉シーズンを迎えた上山市蔵王坊平高原の「蔵王ライザレストラン」では、ドライブやツーリング、トレッキングなどで平日でも客足が戻りつつあり、駐車場には仙台や首都圏ナンバーの車両が多く見られるようになった。同レストランでは、天候に恵まれれば御釜に多くの観光客が訪れ、立ち寄る機会もさらに増えると期待する。担当者は「たくさんの地元の方や観光客に来ていただき、その勢いのままウインタースポーツの時期につながってほしい」と話した。

修学旅行で活況

乗船前に記念撮影する観光客。この日は首都圏や関西などから約30組が訪れた=戸沢村

【戸沢】

 最上川舟下りを運行する最上峡芭蕉ライン観光(戸沢村、鈴木富士雄社長)によると、県内小中学校の修学旅行需要が急増したという。担当者の体感では「コロナ禍前に比べると倍増以上」。さらに、緊急事態宣言の解除後は東京や大阪からの問い合わせが多くなったという。9日には首都圏や関西などから約30組が舟下りを楽しんだ。仙台市から訪れた40代男性は「旅行は自粛していたが、ワクチンを接種し宣言も解除されたので訪れた」と話した。

【酒田、庄内】

 修学旅行の行き先を県外から庄内地域に変更する学校が増えている。体験型の行程が注目され、スケートボードのパークも備える酒田市浜中のサーフショップ「アートガレージ」には天童市内の中学校が訪れた。「五輪の効果でスケボーの需要が増えているのかも。いつもより大人数で受け入れも大変」とオーナーの菅原直記さん(50)。今月も内陸部の小学生たちが来るという。庄内町のカートソレイユ最上川は今年、修学旅行などで学校関係の団体予約が多数入っている。今月下旬には内陸の専門学生約50人が来る予定。コース管理責任者の佐々木悦朗さん(77)は「客足が遠のくこの時期に新しい予約が入るのはうれしい」と話した。

旅行会社「県内客動かず、先見通せない」

 旅行会社からは県外旅行者に動きが見られるとの声も聞かれるが、不安は残る。「山形蔵王トラベル」(山形市)の熊坂靖之社長は「県外からの旅行客は県内に入っているが、県内客の動きはまだない。忘年会など企業関係の団体客が見込めず、先はまだ見通せない」と語る。ただ、10月になって個人客の旅行マインドは高まっていると感じており、申し込みも入りつつあるという。現在停止中で国が年内再開を目指す観光支援事業「Go Toトラベル」に期待を寄せ、「再開されれば県外旅行客はだいぶ増え、県内の旅行ムードは高まるだろう」と見通す。県内の旅行会社にとっては県内客が生命線で、「誰かが旅行促進の旗を振ってくれれば、県民の動きも出ると思うのだが…」とも。7日には小学校の社会科見学が急きょ中止になり頭を抱えたが「だめだ、だめだと言っても何も始まらない。与えられた仕事を生かすのみ」と前を向いた。

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