衆院選「前倒し」県民の思いは 国民の生活、最優先に

2021/10/5 08:55
山形市役所では衆院選の日程を伝えるテレビニュースを見つめる市民の姿が見られた

 岸田文雄首相は4日夜、臨時国会会期末の今月14日に衆議院を解散し、19日公示、31日投開票の日程で衆院選を行うと発表した。「10月26日公示―11月7日投開票」の日程が有力視されていたが、1週間前倒しされた形だ。新政権発足直後の方が選挙に有利との思惑が透けて見え、県民の間には「したたか」「国民のことは二の次」との厳しい受け止めがある一方、新政権、新内閣への期待も聞こえてくる。

 夫と生後4カ月の長男と東根市のさくらんぼタントクルセンターを訪れた同市柏原2丁目、会社員阿部絵理佳さん(26)は「新しい人が多く入った内閣ができたばかりで、解散して選挙をするのは意外。スピードで勝負する自民党のしたたかさが見えた」と話す。前倒しについては「自分には影響がない。子育てしながら共働きで働いており、新しい首相、閣僚には子育てしやすい環境を整えてもらいたい。働く人の賃金が上がる国民第一の政治をしてほしい」と語る。

 JR山形駅前で客待ちをしていた山形市沼木、タクシー運転手早坂市郎兵衛さん(64)は「どの政権になっても景気は良くならない」と政治への期待は薄い。「総選挙の日程うんぬんより、新政権には景気対策を急いでほしい」と要望する。観光や出張が減り、3~4時間待って客が1、2人という日も。岸田首相の所得倍増計画については「この業界は若いなり手もおらず疲弊している。末端まで行き渡らないのでは」と疑問を呈した。

 南陽市赤湯のスーパーに買い物に来ていた長井市片田町、主婦稲垣美華子さん(67)は新政権の実力が分からないまま総選挙を迎えることに「国民のことは二の次で、自分のことしか考えていないように見える」と不満をあらわにする。3人の孫がおり食費もかさむため「新首相の手腕で働き手の賃金がどれだけ上がるのかも、選挙の判断材料にしたかった」と漏らす。

 「総裁選直後で注目が集まっており、コロナが落ち着いているのですぐにしたかったのだろう」と語るのは真室川町大沢、理容師佐藤加代さん(72)。ただ県内の情勢にはあまり影響はないと見ており「地方は仕事が少なく、米価も下がり、若者が流出し続けている。選挙の前にやるべきことをやってほしい」と地方の問題に正面から向き合うことを求めた。

 酒田市広野の会社員伊藤秀和さん(37)=横浜市出身=は「総選挙のタイミングはあまり気にならない。それぞれの政策をしっかり吟味して投票先を決める。大都市一極集中ではなく国民に近い政治を求めたい」との考えだ。自らの移住や子育ての経験から、野田聖子氏が担当相となった「こども庁」に注目。「支援策が充実し、育児しながら働きやすい環境ができれば、若い世代が地方に移住する一つのきっかけになるはず」と期待する。

 米沢市南原地区でさまざまな地域活動に取り組む同市笹野本町、無職加藤政治(まさじ)さん(75)は「首相が岸田さんに代わっても、党内にいろいろなしがらみがあって本来思うようにはなかなかできないだろう。選挙で勝てば、自由にできるようになるのかもしれない。政治には期待したいがコロナなどがあり、今は誰がなっても大変だ」と話した。

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