東京第一ホテル米沢、惜しまれて営業終了 皇室も宿泊、33年の歴史に幕

2021/10/2 09:08
運営会社の酒井登社長(左)から最後の宿泊者の男性に花束が贈られた=米沢市・東京第一ホテル米沢

 米沢市の代表的なホテル「東京第一ホテル米沢」が営業を終了し、1日、最後の宿泊客を送り出した。なじみの客からは「寂しくなる」と閉館を惜しむ声が上がった。「市中心部からシティーホテルの灯を消したくない」と、運営会社は売却先の検討を続けている。

 営業最終日の9月30日は48人が宿泊。稼働中の客室の8割が埋まった。別れを惜しみ、1週間ほど連泊した人もいたという。1日は午前10時ごろから、運営する冠婚葬祭のナウエル(同市)の酒井登社長ら役員、スタッフ約20人がロビーに並び、最後の宿泊客を見送った。毎年お盆の時期に欠かさず宿泊していたという山形市の伊藤啓子さん(64)は「皇室もお泊まりになり、リッチな気分を味わうことができたホテル。米沢の街中が寂しくなってしまう。長年親しんできたので、なくなるのは残念だ」と話した。

 最後の宿泊客を送り出した正午すぎ、酒井社長が正面玄関に鍵をかけ、33年の歴史に幕を下ろした。従業員約120人は社内で配置転換し、一部は退社を選んだという。酒井社長は「お客さんのホテルや米沢への思いをあらためて聞き、うれしく、また申し訳ない気持ちがある。この地にふさわしいホテルが残るようにできることをしていきたい」と語った。

 同ホテルは地元財界の共同出資による米沢相互企画がホテルチェーンの第一ホテル(現・阪急阪神第一ホテルグループ)とフランチャイズ契約を結び1988(昭和63)年に開業。2011年にナウエルが引き継いだ。03年には現在の天皇陛下(当時は皇太子)が宿泊された。同社は今年6月、新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績が悪化したことを受け、9月30日でホテルの営業を終えることを明らかにしていた。

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