脱炭素、地方創生の力に シェルター(山形)木村会長に聞く

2021/9/30 12:29
木造建築物を増やすことは脱炭素社会の実現、地方創生につながると話す日本木造耐火建築協会の木村一義会長=山形市・シェルター

 脱炭素社会の実現に向け、店舗やオフィスなど民間建築物への木材利用を促す改正公共建築物木材利用促進法が1日、施行される。改正の背景には、山形市の木造建築メーカー・シェルター(木村仁大社長)による高耐震・耐火性能の技術革新などで、都市部への木造高層ビル建設が可能になったことがある。日本木造耐火建築協会長として「都市の木造化」の必要性を国に訴えてきた同社の木村一義会長に法改正までの経緯や思いを聞いた。

「山形発の技術が寄与」

 ―協会の関わりは。

 「協会長として18年11月、林業や製材業の代表者と共に自民党国会議員らに国産木材利用による地方創生、都市部に木造ビルを増やす「都市の木造化」の必要性を説いた。ここから法改正が具体化していった。翌年には『森林(もり)を活(い)かす都市(まち)の木造化推進』の国会議員連盟と、同協会や森林組合連合会、建設業界など木材の生産から使用に関わる全国組織が参加する民間の協議会が発足。議連と同協議会が意見交換のほか、JR仙台駅東口に当社が建設した全国初の純木造高層ビル(7階建て)の視察など勉強会を重ね、改正にこぎ着けた」

 ―木造建築物が増えるとどのような効果があるか。

 「伐採・使用・造林の循環による森林の二酸化炭素(CO2)吸収作用が強化されるだけでなく、断熱性が高いため冷暖房用の電力・燃料の削減効果が大きい。政府が掲げた、50年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする『カーボンニュートラル』実現の柱になり得る取り組みだ。何より、木材消費が進めば産地である地方の創生にもつながる」

 ―山形発の技術が法改正の背景にある。

 「都市の木造化には、耐震性の高い接合金物工法『KES(ケス)構法』と、建築基準法に基づく3時間耐火の認定を受けた木質耐火部材『COOL WOOD(クール・ウッド)』という、当社の開発技術が大きく寄与する。大手ゼネコンとの技術提携や部材提供で木造の11階建てビル、15階建てマンションの建設も各地で進む。木の文化の国・日本から未来都市の姿を世界に示せる。それだけの技術と資源が日本にはある。県民にも誇りを持ってもらえたらうれしい」

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