ヒメサユリ、盗難か 山辺・玉虫沼、管理住民は「大切に育ててきたのに」

2021/9/30 09:35
掘り起こしたとみられる直径20センチほどの穴が複数見つかった=山辺町

 山辺町大蕨の玉虫沼周辺で地域住民が管理している複数のヒメサユリが球根ごと抜かれ、なくなっていることが29日までに分かった。群生する中で一定の箇所がきれいに掘り起こされていることなどから、関係者は盗まれたとみており、「13年も続けて大切に育ててきたのに悔しい」と憤っている。

 管理しているのは「ヒメサユリを植える会」(武田文博会長)。会によると、ヒメサユリは玉虫沼北側にある町の保安林(旧キャンプ場)内に植えられている。愛宕山と玉虫沼を結ぶ散策道「能中峰(のうぢゅうみね)」に自生していたヒメサユリが激減したことから、同会などが2009年から、山辺小の児童や保護者とともに散策道脇に球根を植えるなどして群生地を育ててきた。15年には約400個の球根を植えたという。近くには子どもたちが協力して植えた旨を記した張り紙もある。

 ヒメサユリは6月ごろに花を咲かせ、秋には種がなる。会員が今月25日に種を採りに来た際、直径20センチほどの穴を複数見つけ、ヒメサユリが根こそぎ掘り出されているのを確認した。周囲には種を付けた茎も残っておらず、一面が掘り起こされるなど無作為に荒らされた跡もないことから、イノシシなど野生動物による食害の可能性は低いとみている。愛好者の間では1株千円ほどで取引されているという。

先端部に種を付けたヒメサユリ

 掘り起こした穴は何十カ所もあり、副会長の黒木正信さん(85)は「移植ベラを使って盗んだのだろう。球根を植えた子どもたちが聞いたらがっかりして泣いてしまうのでは…」と言葉を詰まらせた。町産業課は新たな看板の設置を検討し、再発防止に取り組む。

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