つらいよね、でも独りじゃない 県内学生・生徒の自殺、5年前の5倍

2021/9/27 10:24

 昨年の全国の自殺者が11年ぶりに増加に転じ、小中高生の数は過去最悪となった。本県でも、総数が減少した一方、学生や子どもの自殺は19人と5年前の約5倍に上る。異常な事態の打開に向け、県は新たに無料通信アプリLINE(ライン)を用いた窓口を開設。電話などの直接的な対話より相談がしやすい環境を整え、悩みに耳を傾ける。

 自殺を巡る状況は深刻だ。厚生労働省によると、昨年の全国の自殺者数は前年比約800人増の2万222人。11年ぶりの増加だった。警察庁の調べでは、特に小中高生の自殺者が100人増の499人で過去最多。本県では全体で前年比15人減の180人だが、10、20代は5人増え29人だった。このうち学生や生徒の数が19人と2016年から約5倍に増え、毎月1人が命を落としている計算になる。

 県は今月1日から来年3月31日までの間(12月29日~1月3日を除く)、LINEを利用した「こころの健康相談@山形」の運用を始めた。放課後や勤務後を想定し、午後6時半~同10時に保健師や心理職の相談員が対応に当たる。12日現在で16件の相談があり、19歳以下は3人、20代は4人だった。内容は健康問題や、家庭、仕事、学校などでの悩みなど多岐にわたる。県地域福祉推進課は「LINEでも相談できるようになり、若い人の心理的ハードルが下がった。不調を感じた際は遠慮なく利用してほしい」と話す。

 全国的にもSNSによる相談が利用されている。NPO法人「あなたのいばしょ」は、24時間365日受け付け、年齢や性別を問わない。研修を受けた全国のボランティアに、いつでもチャットで相談できる。担当者は「話を聞いていくと、精神的な悩みや虐待、お金などさまざまな要因が入り組んでいる」とする一方、「共通しているのは孤独感」と明かし、誰にも頼れない状況が背景に浮かんでくる。同法人によると、昨年9月から今年8月までの1年間で約11万4千件の相談があった。1日当たり300件超で、相談者の約8割が29歳以下だ。

 他にも厚労省のサイト「まもろうよこころ」(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/)で、SNS相談などを行う団体を紹介している。

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