車の後方確認装置、期待しつつも頼り過ぎず 24年5月、新車に装備義務化

2021/9/26 11:29
今後は全新車に設置が義務付けられるバックカメラなどの後方確認装置。目視による確認も欠かせない

 車が後ろに下がる際の事故防止に役立つとされるバックカメラやセンサー。国土交通省が2024年5月以降に全新車に装備を義務付ける中、県内では16~20年の5年間で車両後退時の人身事故が1128件(人身事故全体の約4.5%)発生していることが25日、県警交通企画課のまとめで分かった。後退時の人身事故のうち、ドライバーが高齢者だったのは全体の3割超だが、死亡事故に限ると高齢ドライバーによるものが100%に上った。

 同課によると、車両後退時の人身事故は16年の298件から年々減少し、20年は153件だった。バックカメラなどの有無は調査しておらず正確な数字は分からないものの、センサーを含めた補助装置の普及も減少の一因とみられるという。ただ、16、17年にはなかった死亡事故が18~20年のここ3年は毎年発生しており、注意が必要だ。

 事故を起こしたドライバーの年代を見ると、死亡事故4件はいずれも70~80代の高齢者だった。バックする際に後方で誘導していた女性(77)をひいたり、歩行中の女性(82)をはねたりと、ともに後方確認不足が原因とみられる。運転者の男性(87)が側溝に車を脱輪させ、降車する際にその側溝に転落して溺死した事例もあった。年代別構成率では、60代の22.5%が最も高く、70代の16.6%、50代の15.2%が続く。事故の傾向として、コンビニエンスストアの駐車場から後退する際、後ろにいた歩行者とぶつかるケースが多いという。

 車両後退時の事故は世界的にも問題になっており、昨年11月には国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラムで、バックカメラなど後方確認装置の性能などの国際基準について合意があった。こうした動きを受け国交省は今年6月、道路運送車両法に基づく保安基準の一部改正を実施。自動車メーカーに対し、22年5月以降に発売する新型モデルからバックカメラなどの装備を義務付け、24年5月以降は発売済みのモデルを含め全新車に広げるとした。

死角に注意

 後方確認装置の普及による事故防止が期待される一方、装置に頼りすぎてカメラの死角付近の確認がおろそかになり、事故につながるケースも懸念される。県警交通企画課の担当者は「車に乗り込む際に周囲をチェックするほか、後退時には目視による確認も忘れずに」と呼び掛けている。

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