鶴岡市・現状と課題(中)財政基盤 自主財源増、不可欠

2021/9/25 12:08

 南庄内の6市町村が合併し、現在の鶴岡市が誕生してから10月1日で16年。市町村合併特例法により合併後10年間に限り、地域づくりの一定事業の経費などについて、合併特例債で95%が充当され、元利償還金の70%が普通交付税で措置される。特例債は活用期限が25年度まで延長されているが、発行可能額が残り少なくなり、地方交付税は優遇期間の終了によって段階的に縮減されてきた。自主財源を増やすなど、足腰の強い財政基盤をつくる施策が不可欠だ。

 2020年度は、一般会計や後期高齢者医療保険特別会計の一部などを併せた普通会計決算の実質単年度収支が2億8408万円の黒字となった。収支バランスが3年ぶりに改善した19年度に続いての黒字で、その要因に市は▽臨時交付金など国からの財源措置▽新型コロナウイルス禍の影響による支出の抑制▽予算編成での歳出見直しによる一定の効果―などを挙げる。

 一方で、自主財源比率は前年度比4.2ポイントダウンの27.8%となった。コロナ禍の影響があるとはいえ、国や県からの財源への依存の割合は高く、自立的な財政運営を進めるためには自主財源の充実などを図る必要がある。財政構造の弾力性を示すとされる経常収支比率は91.3%で、前年度から1.2ポイント改善したが、行政システムの効率化、事務事業の見直しは不断の取り組みが必要だ。財政調整基金、減債基金などの積立金は17年度末が185億円だったのに対し、20年度末は175億円となっており、有効活用を図る必要がある。

 合併による優遇措置を生かし、同市では合併特例債、過疎債など有利な地方債を活用した文化会館、ごみ焼却施設といった大型のハード整備事業が行われてきた。それらに関する償還が積み重なり、本年度以降の公債費は増加の見通しとなっている。ピークとなる23年度は、20年度の定期償還分と比べて約13億6千万円の増加となり、以降は高止まり傾向が続くとみられる。さらに、約499億円だった合併特例債発行限度額は、20年度末で約30億円。コロナ禍が今後の税収に及ぼす影響、老朽化する施設やインフラの更新への対応などを考えると、一層の財政健全化の施策が求められる。

 20年度決算では、03年度に市立荘内病院を移転改築して以来初めて、病院事業会計の経常収支が黒字となったが、これもコロナ禍に伴う病床確保料、感染対策経費への国や県の補助金による医業外収益の増加などが背景にある。医療従事者数の不足といった厳しい状況に変わりはなく、市民サービス向上のため医療体制の充実が大きな課題となっている。

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