看護職への差別、2割超「ある」 県内病院、昨年より悪化

2021/9/25 10:26

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 新型コロナウイルスに関する県看護協会の2021年度の調査で、県内病院の2割超で看護職への誹謗(ひぼう)中傷や差別的な扱いなどが確認されたことが24日、協会への取材で分かった。20年度の協会の調査では17.9%で、より深刻化した。保育園での登園拒否やタクシーの乗車拒否など、身近な生活で問題の根深さを示す結果となった。

 同協会は各病院に依頼し、昨年6月に続いて独自の調査を実施。コロナ禍2年目の6月時点の状況を調べた。全67病院のうち64病院が応じ、そのうちの15病院(23.4%)が誹謗中傷や差別的扱いなどが確認されたと答えた。回答率は95.5%。

 具体的な事例は「保育園から子どもを連れてこないでくれと言われた」「感染者が出た居酒屋に行ったとうわさされた」との報告があった。タクシーの乗車を拒否されたほか、患者から新型コロナの治療をしているなら行かないと言われたケースもあったという。

 若月裕子会長は「看護職の多くが外出自粛など日常生活を制限しつつ、現場で奮闘している。こうした中で心が折れるような結果」だとし、「思っていたよりも割合が高く、不合理な状況だ」と語った。

ストレス発散できず、メンタルケアに苦労

 一方、看護職のメンタルヘルスケアで苦労している病院は31病院に上り、前年同時期の19病院を大きく上回った。コロナ禍2年目で、ストレスが発散できない状況に限界を感じる看護職が増えているという。若月会長は「県看護協会として、現場の看護職が苦悩を語り合える環境づくりを検討したい」とした。

 また、新型コロナを理由に看護職が退職した病院は5病院だった。中には、1年間で5人が退職した病院もあった。

 調査は県内全76(6月時点)の訪問看護ステーションにも行い、45施設が回答した。訪問看護スタッフへの誹謗中傷や差別的な扱い、偏見は7施設(15.6%)から報告があった。保菌者的な扱いを受けたケースや、子ども同士のやりとりで「親が医療従事者だから近づかないでと言われた」との事例もあった。

 また、訪問看護の稼働件数は昨年同時期と比較して「増えた」と答えたのは22施設(48.9%)と目立った。病院での面会制限があり、自宅でのみとりを選択する人が増えたことが要因と分析している。

 同協会は近く調査結果を公表し、実態を明らかにする考えだ。

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