アオモリトドマツの種子採取 山形の蔵王山、保管して試験研究に活用

2021/9/24 22:28
採取したアオモリトドマツの種子

 樹氷を形成することで知られ、虫の食害による枯死被害が問題となっているアオモリトドマツの再生に向け、山形森林管理署は24日、山形市の蔵王山で種子の採取を行った。同管理署は県と連携し、現地で稚樹の移植に関する試験研究に取り組んでおり、今回採取した種子は保管して苗木作りなどに活用する。

 種子採取は2016年に始まり、報道陣に公開するのは初めて。アオモリトドマツは上部付近にできる球果と呼ばれる実のようなものの中に約300個の種子が含まれており、採取後に乾燥させて取り出している。ブナなどと同じく豊凶の波があり、昨年は凶作で採取できなかったという。

 同管理署や県森林研究研修センターは稚樹の植栽試験のほか、種子をポットに入れたり、直接地面にまいたりして苗木を育てる研究を進めている。種子は氷点下20度で保存すると2年後でも高い発芽率を保つことが分かっており、一定量の種子を保管しておくことで凶作の年でも円滑に研究を進められるようにする。

 この日は同管理署や県の担当者らが参加し、蔵王ロープウェイ樹氷高原駅付近で球果を採取した。担当者らは先端に鎌状のやいばが付いた棒を10メートルほど伸ばし、球果を枝ごと切り落とした。棒がしなるため扱いが難しく、狙った部分をめがけて慎重に作業を行っていた。

 今後、200~300個の球果を採取し、種子を集めるという。同管理署の担当者は「種子は来年以降の試験などに使い、樹氷再生につなげていきたい」と話していた。

 アオモリトドマツは虫の食害で相次いで枯死し、自然回復が困難な状態となっている。被害は収束しつつあるが、地蔵山頂駅周辺は約16ヘクタールにわたり枯死木のみとなっている。

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