県内基準地価、全用途下落し幅拡大 山形市の住宅地、上昇幅縮小

2021/9/22 08:25

 県が21日に発表した県内の7月1日現在の地価(基準地価)で、林地を除く全用途の平均変動率は前年比マイナス1.0%と23年連続で下落し、下落幅は0.2ポイント拡大した。本県全体を支える山形市の住宅地地価の上昇幅が縮小したことが要因となった。人口減少などを背景とし、市部のマイナス0.6%に対し、町村部ではマイナス1.7%と両者の下落幅の差は大きく、二極化も進んでいる。

 県地価調査代表幹事の月田真吾不動産鑑定士は、本県の住宅地は下落幅が広がったが、全国動向とは違っていると指摘する。新型コロナウイルスに伴う外出自粛を受け、本県では昨年、「駆け込み需要による過熱感」があり、昨年の下落幅は全国よりも小幅だったという。今年は不動産業やハウスメーカーが抱える在庫増で「買い手市場」に転換したと分析する。

 共働き率が全国上位の本県は、コロナ禍での世帯総所得が影響を受けやすい、とも説明。コロナ収束まで買い控えの可能性があるとしつつ、来年の山形市の住宅地地価は「下落に転じることはなく、横ばい程度ではないか」と見通す。

 県内の調査対象は前年と同数の260地点で、用途別内訳は住宅地160、商業地68、工業地23、林地9。このうち、住宅地は27地点、商業地は8地点、工業地は7地点で上昇した。

 住宅地の平均変動率はマイナス0.9%で22年連続の下落。市町村別の平均変動率は、山形、天童の2市は上昇したが、山形市の上昇幅は昨年より1.3ポイント下がって1.5%となった。20市町村が昨年と同じ数値だった。変動率上昇基準地の上位10地点のうち、山形市が9地点を占めた。一方、鶴岡市のあつみ温泉に近い基準地は本県沖地震やコロナ禍の影響で下落幅が広がった。

 商業地はマイナス1.3%と28年連続の下落で、下落幅は昨年より0.2ポイント拡大した。市町村別では、山形、飯豊の2市町がプラスで、三川町は前年と同じく増減なしだった。月田氏は、山形市は市中心部のマンションなどの新たな需要による下支えを、飯豊町はリチウムイオン電池の研究施設周辺で宿泊、商業施設の整備が進んでいることなどを要因に挙げる。新型コロナに伴う消費減速の中、全国的に観光地や温泉地、飲食店街が下落傾向を示しているという。

 工業地は昨年と同じマイナス0.3%で、23年連続の下落。昨年は東北最多の20件の企業進出があり、月田氏は「堅調な需要が見える」と説明。今後は天童市内の工業団地の分譲状況が注視されるとしている。

記事・写真などの無断転載を禁じます

関連写真

写真・画像の無断転載を禁じます。
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]