1台で水・電気・ガス供給 山形の企業が災害支援車開発

2021/9/21 20:53
大江車体特装は浄水器やガスボンベ、ガス発電機を搭載し、災害時でも1台で水、電気、ガスを供給できる災害支援車「LCX」を開発した=山形市

 特殊装備車両製造の大江車体特装(山形市、大江晴久社長)が災害時に1台で水、電気、ガスを供給できる災害支援車「LCX」を開発し、報道陣向け発表会が21日、同社で開かれた。軽トラックを改装し、ガスボンベやガス発電機、浄水器を搭載。被災者にライフラインを提供し、平時は工事現場、イベント会場で活用できる。低コストで導入可能で、特許出願中だ。

 浄水器は1時間当たり350リットルの処理能力があり、ポンプで川、湖、雨の水を吸い上げ飲用に浄水する。ガスはLPガス10キロボンベ2本を搭載。1本で発電機1台は20時間運転可能で100ボルト電源を供給し、ガスコンロ1台は最大火力で15時間稼働可能だ。炊き出しのほか照明、ラジオ・テレビ、通信設備の稼働や携帯電話の充電に使える。

 装備の総重量は計220キロ程度といい、車体が揺れても設備が外れたり壊れたりしないよう、独自技術を開発し、特殊で頑丈な土台構造を採用。広報活動に使える放送設備も備えた。四輪駆動(4WD)オートマチック車の場合、価格は548万9千円で、8色を用意。既存車への取り付け費用は350万円程度(税抜き)から。低価格で悪路でも走行性の高い4WDの軽トラをベース車とした。

 平時は工事現場で休憩所のライフライン機能として使え、作業環境向上が図れる。キャンプ、イベント、祭りなどレジャー面での活用も想定する。発注者の希望によりベース車や搭載装備の変更も可能だ。同社の調べでは1台で飲料水、電気、ガスの生成機能を持つ民間車両は日本初という。大江社長は東日本大震災を機に開発を構想し、自社の技術と経験を結集。市売上増進支援センターY-biz(ワイ・ビズ)の支援で準備を進めた。

 9月28日~10月2日に仙台市の仙台国際センターで開かれる震災対策技術展で公開し、来年4月から受注を開始する予定。自治体などからの受注を想定する。発表会では浄水、発電、コンロの実演があった。大江社長は「災害時は物資が届かず救えない命があり、東日本大震災時は無力感、情けなさを覚えた。LCXは公的支援が始まる前に役立ち地域の安全、安心につながる」と話した。問い合わせは同社023(641)4057。

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