本県イカ漁、豊漁でも多難 北ミサイルに中国違法操業、コロナ対策も

2021/9/16 22:45
ロシア水域から帰港した第86若潮丸の船凍イカ水揚げ作業。PCR検査などコロナ対策も必要となっている=酒田港

 日本海でのイカ漁は現在、ロシア水域で豊漁となっている。本県船団の主力・第86若潮丸は16日、酒田市の酒田港に帰港し、ほぼ満載の1万6100ケースの船凍イカ(約130トン)を水揚げした。再度、豊漁のロシア水域に入るためにはPCR検査が必要で、漁業者は北朝鮮の弾道ミサイル発射や違法操業に加え、新型コロナウイルスへの対策と苦労の多い漁が続いている。

 ロシアの排他的経済水域(EEZ)への出入りでは、洋上のチェックポイントで国境警備当局の監督官から臨検を受ける。監督官は本県漁船などに乗り込み、漁獲量などを確認する。この際、監督官と日本漁船の乗組員が接触することから、昨年からPCR検査が義務付けられた。

 イカは春から夏にかけて北上し、その後南下。漁場形成はイカの回遊ルート次第だ。昨年はロシア水域へ入域を希望する漁船はなかったが、今年は先月ごろからロシア水域に漁場が形成された。若潮丸も当初は日本のEEZ内の大和堆(たい)周辺で操業。イカの群れを追い、先月中旬にロシア入域を申請した。乗組員がPCR検査を受けていなかったため、洋上で2週間経過観察後に許可された。

 再びロシア水域で操業するため、若潮丸漁労長の本間健さん(65)ら乗組員9人は16日の水揚げ後、酒田市内でPCR検査を受けた。この日は他にも本県船団の中型イカ釣り船も帰港。再出港に向け検査を受けた。「入域には監督官を迎えるための船のチャーターや手続きで数千万円かかることもある。検査費用も漁業者負担で、10人程度調べると数十万円にもなる」と漁業関係者は負担の大きさを語った。

 本県主力魚種のイカを巡っては、海洋環境の変化や好漁場・大和堆での北朝鮮、中国の違法操業といった問題が続いてきた。15日には北朝鮮が日本海に向けて再び弾道ミサイルを発射。コロナ対策も必要になり、懸念材料が増えている。「問題は次々出てくるが、俺たちはたくさんイカを獲り、酒田港に戻ってくることが大事」と本間さん。全国いか釣り漁業協会の中津達也専務は「早く自由で安全、安心な操業ができる状況になってほしい」と話した。

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