生産者「覚悟していたが」 県内21年産概算金減、外食需要低迷でコメ余り

2021/9/11 14:39
黄金色に実った稲穂。2021年産米の概算金が大幅に下落し、生産者からは不安の声が上がった=鶴岡市上山添

 新型コロナウイルスの影響がここにも表れた。JA全農山形が10日に決定した2021年産米の概算金(県内各JAへの前払い分)は「はえぬき」や「雪若丸」で大幅に減少した。コロナ禍での外食需要の低迷などでコメ余りの状態が続いているためで、生産者からは「ここまで落ち込むとは」「ある意味諦めていた」との嘆きが漏れ、農協関係者らは国を挙げた対策の必要性を訴えた。

 生産現場では春先から米価下落を危惧する声が上がっていた。「覚悟していたが、まさかここまでとは思わなかった」。山形市内で「つや姫」や「雪若丸」を栽培する男性(45)は驚きを隠さなかった。他産地のブランド米も大幅な下落を余儀なくされており、受け入れざるを得ないとの思いもある。ただ、期待を掛ける「雪若丸」はこの2年で3千円超下落しており、「需要喚起し、どうにか盛り上げたい」と話した。

 庄内地域で8ヘクタールほどで水稲を栽培する生産者の男性は「はえぬき」などを全量JAに出荷しており「新型コロナウイルスの感染拡大による業務用米の需要減などを考えれば、上がらないことは予想していた。ある意味諦めていた」と語った。天候不順の影響も受けており、収穫量が減少すれば、さらなる収益減につながりかねない。比較的、下落幅が小さかったおくての「つや姫」も天候の影響を受けており、「例年より実りが悪い所もある」と不安を口にした。

 概算金の決定を受け、内陸部のJA関係者は「この状況であれば仕方ない部分はある」としつつ、「農家の台所事情を考えればこの影響は来年、再来年まで響く。営農を諦める農家も出てくるかもしれない」と危機感を強める。今後に向けては生産者に理解してもらえるよう説明を尽くし、販売に力を入れる考えだ。

 全農山形の担当者は「コロナ禍で業務用米の需要が回復しておらず、値下げはやむを得なかった」と苦しい胸の内を明かす。需要低迷で2020年産米の消費が滞り、21年米にも影響が及ぶ恐れがあるとし、「国が備蓄米への転換といった市場隔離などを講じ、業務用米の供給が進んでくれれば状況は良くなるのではないか」と要望した。

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