スパイバー(鶴岡)344億円調達へ 過去最大規模、世界での量産・販売向け

2021/9/9 12:13
構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」の粉末(左下)と、さまざまな形態に加工した素材(スパイバー提供)

 鶴岡市のバイオベンチャー・スパイバー(関山和秀代表執行役)は8日、構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」の世界での量産体制・販売網構築に向け、総額344億円に上る資金調達を行うことを決めたと発表した。同社の資金調達で過去最大規模。第三者割当増資による244億円に加え、三菱UFJモルガン・スタンレー証券をアレンジャーとした事業価値証券化で100億円を調達する。県内金融機関で唯一、山形銀行が参加する。

 スパイバーはタイで年内に同社初の量産プラントを稼働させる予定。米国での量産化に向けては、現地穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニー(ADM、本社シカゴ)と昨年9月に協業契約を締結。早ければ2023年に稼働させる。

 第三者割当増資の割当先は、世界展開する投資ファンド・カーライルなどの海外投資家と、官民ファンドのクールジャパン機構などの国内投資家。山形銀行は5億円の出資が内定している。カーライルと同機構から1人ずつ取締役を受け入れる予定。

 事業価値証券化は、スパイバーの先進的な研究開発設備やタイの生産拠点などの有形資産に加え、知的財産といった無形資産の価値を証券化する手法。同様に三菱UFJモルガン・スタンレー証券をアレンジャーとし、昨年12月にも250億円を調達している。

 スパイバーは「生態系を支える基幹素材であるタンパク質を産業的に使いこなすためのインフラ整備を通し持続可能な社会の実現、地球規模の課題解決に貢献できるよう、引き続き尽力していく」としている。

 山形銀行は「本県の成長・発展をけん引する企業の飛躍、産業・雇用創出のための出資で、当行が掲げる山形成長戦略の狙いそのもの。地方銀行の使命を果たすことにもつながる」と話した。

ブリュード・プロテイン 植物由来の糖類を主原料にした構造タンパク質素材。用途に応じ、シルクやカシミヤ、ウール、アニマルファーのような糸・繊維のほか樹脂やゲル、スポンジ、フィルムなど多様な性質・形に姿を変えることができる。アパレル、輸送機器、医療、化粧品、農業など多くの分野での活用が期待されている。機能性に加え、石油や動物由来の原料に頼らず、二酸化炭素(CO2)排出を削減できる環境性を併せ持つ次世代材料として世界的に注目されている。

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