芋煮会、今年も我慢… 知事苦渋、少人数での開催訴え

2021/9/9 11:28
芋煮会を楽しむ大勢の人でにぎわうコロナ禍前の山形市・馬見ケ崎川河川敷。今秋は我慢のシーズンとなる(写真と本文は関係ありません)

 大鍋を大勢で囲んでこそ楽しく、おいしい芋煮会だが、新型コロナウイルスの感染が広がる今シーズンは、少人数での開催で我慢しなければならなそうだ。吉村美栄子知事は8日の定例記者会見で、屋外でも感染リスクがあるとし、芋煮会を開く場合、家族以外の友人や職場単位では人数を4人以下に制限することを呼び掛けた。県民からは残念がる声も聞かれた。

 「今年だけは何とか我慢をしてほしい」。会見でこう呼び掛けた吉村美栄子知事は、苦渋の表情を浮かべ、判断に悩んだ様子がうかがえた。

 県によると、これまでの県内の感染事例の中で屋外でのバーベキューに起因するケースが複数確認されているという。秋田県では先月、感染拡大を防ぐため、県管理の河川敷や公園などでの大人数のバーベキューや飲食の当面禁止を判断している。

 吉村知事は屋外でも大人数での会食は感染リスクが高くなると強調した。一方、本県の秋の風物詩として定着しているイベントだけに、「芋煮会は本県の食文化ともいえる大事なもの」としながら、「この状況で大丈夫とは言えない」と言葉をつないだ。

 芋煮会を開く場合は、普段一緒に暮らす家族については人数を制限せず、職場や友人で行う場合は4人以下にするよう求めた。新型コロナの感染拡大防止特別集中期間(8月20日~9月12日)については、3人以内で1時間程度としている。

残念がる声「来年こそ盛大に」

 芋煮会の規模縮小について県内の声を聞いた。

 酒田市内にある最上川河川公園の河川敷で毎年、芋煮会を開催している「庄内で暮らそう!移住者交流会」は庄内風と内陸風を味わい、交流を深めてきた。コロナ禍でも、昨年は屋外であることなども考慮し、約60人で感染防止策を徹底して開催した。池田友喜会長は「県の方針は聞いたばかりで、これから事務局の市とも相談して決めたい。ただ、3、4人では芋煮会にはならないと個人的には思う」と話した。

 「3人とか4人とか、人数の問題ではなく、芋煮会をやる雰囲気ではない」。最上地域の建設業の男性はこう語った。おととしまで毎年、社を挙げて開いてきたが、昨年は感染リスクを考えて取りやめた。「今年こそ」と社内で話していたが、2年続けて中止に。男性は「知事に言われる以前に、どの会社も(開催は)難しいと考えている」とし「来年こそは盛大にやりたいね」と感染収束を願った。

 県内各地にスーパーを展開するヤマザワ(山形市)は「昨年も河原での芋煮会がほとんどできない状態だったので、人数制限のお願いがあっても、ほぼ影響はないだろう」と受け止める。同社は新型コロナウイルス禍が続く状況を受け、今年から芋煮セット商品の量設定を、例年の10人前を7~8人前、5人前を3~4人前へと見直した。また、帰省できない県外の家族・親戚に向けた贈答用芋煮セット(2~3人前)の販売を強化。食材のほか芋煮たれも付いて送料無料で3980円(税別)と4980円(同)を用意した。出足は順調だという。鍋やござの貸し出しは例年通り対応する。

 仲間内や同僚で集まる芋煮会は、贈答や外食用として需要が高い米沢牛など県産高級牛肉に手が伸びる機会でもある。米沢食肉公社(米沢市)の担当者は「例年であれば、お盆明けから秋にかけて牛肉の需要が増加する。昨年は『Go To イート』で回復した時期があったが、今年は落ち込んだ状態が続く。生産者が大切に育てた牛肉を県民においしく食べてもらう機会をなんとかつくりたい」と残念がった。

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