紙一重、日大山形無念 全国高校野球第11日

2021/8/25 11:01
〈日大山形―石見智翠館〉接戦を終え整列する日大の選手=兵庫県西宮市・甲子園球場

 第103回全国高校野球選手権大会第11日は24日、兵庫県西宮市の甲子園球場で3回戦4試合が行われ、本県代表の日大山形は石見智翠館(島根)に4―5でサヨナラ負けを喫し、第95回大会以来の準々決勝進出を逃した。

 2回戦と同じ布陣で臨んだ日大は、エースの右腕斎藤堅史が3戦連続で先発した。初回に5番塩野叶人の犠飛で先制点を奪い、四回に同点とされた。六回に長打を足掛かりに勝ち越し点を奪われたが、初の連打が出た七回2死一、二塁で、塩野が2点適時三塁打を放って逆転。さらに6番梅津康生の適時打で、三走塩野が生還した。2点差を付けたが、その裏に投手陣の制球が乱れて再び同点とされ、最終回は1死三塁から中前打で決勝点を奪われた。

 【評】日大山形は終盤の点の取り合いで競り負けた。立ち上がりに両エースが粘投した試合は六回に一変。日大は七回2死から中軸の連打で逆転したが、制球に苦しんだ投手陣が踏ん張れなかった。同点で迎えた最終回にも好機をつくったが、石見智翠館の守備の集中が上回り、サヨナラ打につなげられた。

粘る打撃、意地見せた

 投手戦に見えた試合は激戦となり、最終回に近づくにつれ、めまぐるしく流れが変わった。日大山形は七回、劣勢の雰囲気を打ち破る「粘り強さ」(佐藤拓斗主将)を打撃で示した。8強入りに向けて突き進んだが、相手の執念が上回った。最終回、惜しくも散った。

 勝ち越しを許した六回まで散発3安打どまり。四死球を生かした初回の犠飛による1得点のみで、相手投手の攻略に苦しんだ。五回につくった1死一、二塁の好機では、変則フォームで左横手投げの2番手に中軸が抑えられた。

 反撃は七回2死の連打からだ。「序盤にいいところがなく、なんとか打ちたかった」と3番佐藤、4番伊藤翔海が力みのない中前打で出塁した。山形大会のメンバー変更からここまで来た5番塩野叶人が続いた。「みんなのために打とうという気持ちだった。直球がしっかりと芯に当たった」。この日強かった「浜風」を切り裂くように、右翼線への2点適時三塁打で逆転。6番梅津康生の適時打でもう1点加え、意地を見せた。

 しかし、ここで終わらなかったのが、かつて「江の川」と名乗った島根の古豪のしぶとさだ。滝口琉偉の制球の乱れを突いて追い付くと、最終回の守備では好プレーを連発した。1死一、二塁で9番大場陽南斗が左前打を放っても、本塁への送球で勝ち越しを阻止。根負けだった。

 サヨナラで接戦を落とし、県勢初の4強入りだった第95回大会以来の準々決勝進出はならなかった。だが、2年ぶりに開催された今大会を終えた荒木準也監督は「何とか勝たせてやりたかった。日本一を目指した非常にいいチームだった」と。佐藤は「(甲子園は)目指して間違いのない場所だった」と言い、夏の終わりをかみしめた。

「一球の怖さ実感」-3投手リード2年捕手・梅津

7回裏、マウンドに集まる日大の梅津康生(右)と滝口琉偉

 「一球で負ける怖さを痛感した」。3投手をリードした捕手の梅津康生は試合後、絞り出すように話した。何度もピンチをしのいだが、最終回に大類興雅との2年生バッテリーでサヨナラ負け。「素晴らしい先輩たちと勝利できず悔しい」と涙をこらえた。

 先発は3試合連続で斎藤堅史が務めた。「試合前の準備を大切に、ベストな状態で入ることを意識した」と安定した投球で五回まで1失点。走者を出しながらも、変化球を主体に粘り強く投げた。六回には「心に隙が生まれた」と二塁打と四球でピンチを招いたが、2番手の滝口琉偉が最少失点で切り抜けた。

 同点で迎えた九回無死一塁では、大類が初めて甲子園のマウンドへ。二塁打でピンチが広がり、甘いスライダーを痛打されて試合は決まった。責任を感じる後輩たちに向けた「2年生の活躍がなければ甲子園には出られなかった」という主将の佐藤拓斗の言葉を聞き、梅津が誓った。「この悔しさは大類と晴らす。来年この場所で必ず日本一を取る」

選手の頑張りで3試合戦えた

 日大山形・荒木準也監督の話 (七回の)2アウトからつないで逆転したことは、練習のたまものだ。(その後に)一気に同点に追い付かれた場面がターニングポイントだったと思う。負ける時には四死球やミスが付きまとう。昨年の卒業生の分を含め、2年分の思いで甲子園に立たせてくれた。選手の頑張りで3試合戦えたことをうれしく思う。

日大山形選手ひと言

 ▽斎藤堅史 日本一に手が届くところまで来ていたので非常に悔しい。自分に足りない物を見つめ直して、上の舞台で戦える投手になりたい。

 ▽滝口琉偉 力みからボールが先行した。甲子園に立てたのはとても素晴らしい経験。1、2回戦の登板で抑えたことは自信になった。

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