「蔵王山測候所」の場所を特定 山形大・柳沢名誉教授、現地調査や航空写真を基に

2021/8/13 10:51
蔵王山測候所があった場所を特定したことについて説明する柳沢文孝名誉教授=山形市・山形大小白川キャンパス

 蔵王周辺の自然環境などを調べている山形大の柳沢文孝名誉教授は12日、蔵王山の地蔵岳山頂で1943(昭和18)年~47(同22)年に気象観測を行っていた「蔵王山測候所」の場所が判明したと発表した。現地調査や、第2次世界大戦後に米軍が撮影した航空写真を基に特定した。

 蔵王山測候所についてはこれまで気象観測記録や地図、写真などが見つかっており、位置情報(北緯38度9分、東経140度26分、海抜1760メートル)も判明していたが、詳しい場所や内部、外部の様子は分かっていなかった。

蔵王山測候所の測風棟と石垣(梛野栄司さんが柳沢文孝名誉教授に提供)

 柳沢名誉教授は測候所に勤務した梛野栄司(なぎのえいじ)さん(山形市)から写真や内部の詳細を描いた図面の提供と、測候所に関する説明を受けた。説明によると、測候所は風速70メートルに耐えるよう設計され、周囲には風よけのため石垣(高さ約1~1.5メートル、幅約70~80センチ)が設けられていたという。

 6月に現地調査を行い、地蔵岳の山道を登り山頂に到達した地点で、人工的に積み上げられたと考えられる石垣(長さ約10メートル、高さ約50センチ、幅約70~80センチ)を発見した。一方、国土地理院が所蔵する米軍撮影の航空写真を調べたところ、石垣跡があった山道の先の地点と、その東側に建物を確認。石垣は当時からのものと判断し、蔵王山測候所が建てられていた場所を特定した。もう一つの建物は同時期にあった東北帝国大学蔵王高層気象着氷対策研究所とみられる。

地蔵岳山頂で見つかった石垣跡(柳沢文孝名誉教授提供)

 柳沢名誉教授は「当時の気象条件をどこで、どのように観測していたかが分かり、観測データの精度などを見直すことができる」と話していた。

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